1989 Fiscal Year Annual Research Report
水理構造物周辺の剥離流の制御工法の開発とその水工学への応用
Project/Area Number |
01850120
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中川 博次 京都大学, 工学部, 教授 (60027216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 正吾 京都大学, 工学部, 助手 (70166247)
辻本 哲郎 金沢大学, 工学部, 助教授 (20115885)
C.W.KNISELY 京都大学, 工学部, 講師 (40197629)
富永 晃宏 群馬大学, 工学部, 助手 (60135530)
禰津 家久 京都大学, 工学部, 助教授 (30109029)
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Keywords | 乱流 / 剥離流 / ボイル / ステップ流れ / 開水路乱れ / レ-ザ-流速計 / 組織渦 |
Research Abstract |
主要な河川災害である橋梁災害、堰・床止め災害、護岸災害などの各種の水理構造物の災害はこの構造物周辺で起こる局所流によることが多く、この水理学的解明と制御が重要な課題である。しかし、河川や河口の構造物周辺の局所流は逆流域を伴う複雑な剥離流であり、しかも構造物と動的応答を生じるから乱流計測がきわめて困難であるため、その乱流構造や構造物の動的応答特性には不明な点が多い。 幸い、最近、高精度のレ-ザ-流速計が開発され、逆流域を伴う高せん断乱流場を計測できるようになった。 本研究は、このレ-ザ-流速計モジュ-ルを新規購入して、不明な点が多い剥離流の構造を本年度解明したものである。 まず、剥離流の典型例として、(1)ステップ剥離流、(2)河床波背後の剥離流を取り上げて、レ-ザ-流速計をx、y、zの3方向に格子状に移動させ、この流速分布や各種の乱流特性値を解明した。 その結果、クレストからKelvinーHelmholtzの不安定性により剥離流が生成され、それが発達しながら移流される。剥離渦が再付着点に移流されると剥離泡内の低周波変動を惹起して、大規模な渦放出が起こる。この組織渦は、ビオ・サバ-ルの法則によって自己誘導されて、馬蹄型状の渦となり、その頂部(Tip)が自由水面に達して、渦輪のように水面が盛り上がるボイルが発生することが明らかにされた。 これらの知見に基づいて、次年度には、剥離流の制御工法を解発する予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Tominaga,A.,I.Nezu,K.Ezaki and H.Nakagawa: "ThreeーDimensional Turbulent Structure in Straight Open Channel Flows." J.Hydraulic Research.27. 149-173 (1989)
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[Publications] Nezu,I.and H.Nakagawa: "Turbulent Structure of Backward Facing Step Flow and Coherent Vortex Shedding from Reattachment in OpenーChannel Flows." Turbulent Shear Flows,SpringerーVerlag.6. 313-337 (1989)
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[Publications] 禰津家久: "水理学における乱流の動向" 日本流体力学誌. 8. 106-120 (1989)
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[Publications] Nezu,I.and H.Nakagawa: "Accurate Measurements of Space-Time Correlations of Coherent Vortex behind Dunes in Turbulent Open-Channel Flows with Combination of Laser Doppler Anemometer and Hot-Film Anemometer," Proc.of workshop on Instrumentation for Hydraulic Laboratories,Canada Centre for Inland Waters/IAHR,Burlington,Canada,. 29-44 (1989)
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[Publications] Nezu,I.,H.Nakagawa and W.Rodi: "Significant Difference between Secondary Currents in Closed Channels and Narrow Open Channels." Proc.of 23rd Congress of IAHR,Ottawa,. A. 125-132 (1989)
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[Publications] 禰津家久,中川博次: "開水路粗度急変流れの乱流構造とバ-スト 現象に関する研究," 第21回乱流シンポジウム論文集. 270-274 (1989)
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[Publications] 禰津家久(分担執筆): "土木工学ハンドブック" 土木学会(編), 2983 (1989)