1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01850147
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菊池 淳 東北大学, 工学部, 教授 (00005307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 尚司 東北大学, 工学部, 助教授 (00111253)
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Keywords | 高周波誘導炉 / 誘導攪拌 / 溶鉄の流れ / 攪拌制御 / 電磁流体力学 / 精錬反応 / 速度論的研究 / 物質移動 |
Research Abstract |
高周波誘導炉は各種精錬反応の速度論的研究に広く利用されているが重要な速度論的パラメ-タである融体の温度と攪拌強度とを独立に変化させることができない。本研究では融体の温度を一定に保ちつつ攪拌強度を広範に変化させることができる電磁シ-ルド方式を提案し,その攪拌制御特性を実験的,理論的に検討した。 1.2次コイルによる攪拌制御の実験的検討 平成元年度に検討した導電性リングによる制御方式を改良した2次コイル方式を考案し,その特性を実験的に検討した。この方式は,るつぼと加熱コイルとの間隙に水冷銅コイルを挿入し,それに炉外で接続した外部コイルの巻数を変えることにより2次コイル系のインダクタンスを変化させ,これによって炉内の磁界を制御する方式である。まず,2次コイルを設置した条件で炉内の磁束密度を測定し,外部コイルの巻数を変化させることによって磁束密度分布が大きく変化することを確認した。次いで,溶鉄の流れの可視化を目的として溶鉄へのグラファイト丸棒の溶解実験を行った。グラファイト丸棒の局所的溶解速度から求めた局所物質移動係数の分布は,外部コイルの巻数によって大きく変化し,本法により溶鉄の局所的攪拌制御が可能であることが明らかになった。 2.炉内電磁場および溶鉄の流れと物質移動に関する数値解析 相互インダクタンスモデルに基づく炉内電磁場の数値解析を行った。得られた磁束密度の数値解は実測値とよく一致した。次にナビエ・スト-クスの式と流れ場の拡散方程式とを数値的に解き,溶鉄の流速分布および濃度分布を計算した。その結果,溶鉄の表面流速が2次コイルによって広範に変化すること,および局所物質移動係数の数値解が上記の実測値とほぼ一致することなどが確認された。 以上の研究により2次コイルによる攪拌制御の可能性が実証された。
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[Publications] 谷口 尚司,菊池 淳: "高周波誘導攪拌下の溶鉄とグラファイト円柱間の液側物質移動" 日本鉄鋼協会講演論文集・材料プロセス. 3. 129 (1990)
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[Publications] 谷口 尚司,菊池 淳,清水 博文: "高周波誘導炉を用いた溶鉄の攪拌制御" 日本鉄鋼協会講演論文集・材料プロセス. 3. 917 (1990)
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[Publications] 谷口 尚司,菊池 淳: "高周波誘導炉内の溶鉄の流れ" 第2回シンポジウム電磁力関連のダイナミックス講演論文集. 193-196 (1990)
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[Publications] S.Taniguchi and A.Kikuchi: "Local Flow Control of Liquid Iron in a Highーfrequency Induction Furnace." Proc.of International Symposium on the Application of Electromagnetic Forces,Sendai,Japan,1991,.