1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01870049
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Research Institution | Health Research Foundation |
Principal Investigator |
菅原 努 (財)体質研究会, 理事長 (00025511)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 敏一 京都府立医科大学, 講師 (90158410)
高橋 正治 京都大学, 胸部疾患研究所, 教授 (00026931)
中津川 重一 福井医科大学, 医学部, 講師 (00180315)
法村 俊之 産業医科大学, 医学部, 教授 (20039530)
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Keywords | 生物応答修飾剤 / 免疫 / 漢方薬 / 普及型がん治療 / 放射線療法 / 温熱療法 / 化学療法 |
Research Abstract |
放射線照射や抗腫瘍剤投与によるがん患者の耐え難い副作用を軽減し、かつこれらの治療法の治療効果を増強する薬剤を開発することは、現在の普及型がん治療法における最も重要でかつ緊急な課題である。本研究では、ある種類のミミズから特殊な条件下で抽出した漢方薬MCXー912に注目し、がん治療に対する生物学的応答修飾剤(BRM)としての作用について、放射線療法、温熱療法、あるいは化学療法における併用効果を調べ、その実用化を手指した。また、漢方薬の免疫応答機能を明らかにすると共に、がん治癒との関係を調べた。主な研究成果を以下に列挙する。 (1)ヒト胎児初代培養細胞、およびヒト子宮頚部上皮性がん、ヒト皮膚メラノ-マ、ヒト膀胱がん由来の培養細胞に空気共存下でX線を照射し、生存率に及ぼす作用を調べた結果、MCXー912は放射線致死効果を増強しなかった。 (2)大腿部皮下にS180腫瘍を担持したマウスを用いて、固形腫瘍の成長および酸素ラジカルに対する生体内防御機能に及ぼすMCXー912の効果を調べた。MCXー912を連日投与すると、S180腫瘍の成長を抑制した。また、MCXー912はマウス肝臓の脂質過酸化を防ぎ、血液中のス-パ-オキシドジスムタ-ゼ、カタラ-ゼ、グルタオチンペルキオキシダ-ゼの活性を増大させた。これらの作用は担がんマウスの場合に顕著であった。 (3)MM46腫瘍を担持したマウスにMCXー912を連日投与しても腫瘍抑制効果を示さず、放射線照射効果を抑制した。他方、脾細胞数は増加し、マウス腹腔内のMM46細胞に対する抗腫瘍が増大した。 (4)臨床試験において、MCXー912を服用した場合、湯え難い副作用は発現しなかった。また、がん患者の局部疼痛や体重減少を防ぎ、化学治療時の発熱を抑制した。
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Research Products
(1 results)