2002 Fiscal Year Annual Research Report
市民活動と自治体とのパートナーシップによるシビック・ガバナント―日本の地域政治の事例研究―
Project/Area Number |
01F00011
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
寄本 勝美 早稲田大学, 政治経済学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YI K. 早稲田大学, 政治経済学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 市民社会 / 市民参加 / 市民資源 / 市民インフラ / 生活政治 / パートナーシップ / シビック・ガバメント / ネットワーク |
Research Abstract |
本研究は、「生活政治活性化」と「市民ネットワーク」という二つの観点から、日本の都市部における市民社会の特性を考察し、市民参加の内容(生活政治)と方法(シビック・ガバメント)を分析しながら、市民参加の実現の場としての新しい公共領域の特徴を明らかにすることが目的である。このために、この研究は、東京都内の世田谷区や神奈川県の厚木市等を事例として、市民活動を比較しながら分析してる。具体的には、市民参加の為の(1)資源(2)戦略(3)市民ネットワーク(4)自治体とのパートナーシップ等を調査・分析して、シビック・ガバメントの可能性と多様なモデル化を提案することも試みようとした。 シビック・ガバメントの可能性は、結論として次のような条件が必要であることが明らかになった。まず、市民社会あるいは、市民セクターのインフラ(例えば、お金、時間、意識、労働等の個人レベルとお互いに必要なニーズの共感帯や意思疎通のチャンネル等の社会レベル)の内容及び概念を具体化し、その基盤を固めて拡大する必要がある。二番目は、市民団体が自ら自主的かつ、民主的であり、持続的に活動を維持・成長させる必要がある。三番目は、市民活動の中で、民主的で、循環的なリーダーシップを育成強化する必要がある。四番目は、自治体や議会などが市民参加を生かす必要性を認めて、自らの権力を相対化する必要がある。各都市での市民参加の進んでいる程度の差は、このような変数によって異なり、各変数によって市民参加のやり方や進め方にも差異が現れた。 本研究は、10年以上の長期間で観察・調査する必要があるため、今後も引き続き行なう予定であり、韓国との比較研究を進めて、市民の資源、インフラ、シビック・ガバメントなどの概念内容をもっと充実させたい。
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Research Products
(1 results)