2002 Fiscal Year Annual Research Report
GdYCOB結晶の耐光損傷特性の向上と高出力紫外レーザー光源への応用
Project/Area Number |
01F00038
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐々木 孝友 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BRAHADEESWARAN SRINIVASAN 大阪大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | GdyCOB / 紫外光 / 光損傷 / 定比組成 / 溶液成長 / フラックス / TSSG / 非線形光学結晶 |
Research Abstract |
・光損傷耐性に優れたGdYCOB(又はYCOB)結晶を得るために、酸素欠陥が生じにいく大気中でTSSG (Top Seeded Solution Growth)法による結晶育成を試みた。溶液の融点を下げるため、構成元素から成るフラックス組成(セルフフラックス組成)を探索した。CaB_2O_4, Ca_2B_2O_5を用いた場合には、YCOB相の析出が生じなかった。Ca_3B_2O_6を用いた場合はYCOB結晶の析出が確認できたが、自然核発生の析出点が1480℃とYCOBの融点(1520℃)に近いため、強い赤外輻射によって融液中の観察が困難なことが分かった。育成結果は、自然核発生により生じた針状結晶が得られたに過ぎなかった。 ・K_2Mo_3O_<10>, Li_2B_4O_7, Ba_2B_2O_5をフラックスとしてYCOB単結晶の育成を試みたが、固化した析出物にはYCOB結晶相は含まれていないことが明らかになった。 ・Bi_2O_3は、フラックス成分として機能することが分かった。50gのYCOB原料に100gのフラックスを加えた時(YCOB:33.3wt%)、1370℃で融解し、1305℃で固化することが分かった。ACRT溶液撹絆を行いながら、5℃/hrでメルトを冷却し、自然核発生による結晶成長を行った。駅面付近で、数mm角の薄く黄色に着色したYCOB結晶を複数得ることができた。 ・YCOBを化学量論比で秤量させるため、あらかじめB_2O_3試薬を170℃で熱処理し、1%未満の低湿度環境で、秤量・混合した。さらに、融解後に長時間保持して育成メルトを高品質化させるのではなく、焼結反応の温度・回数を最適化させて、単相に近い育成原料を準備した。得られた原料から育成した結晶は、これまで最も光損傷耐性に強かった結晶と同程度の閾値特性を有し、その再現性にも優れていることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] S.Yasuda, S.Brahadeeswaran, et al.: "Influence of growth parameters on photo-induced damage in GdYCOB single crystals"Abstract Book of The 2nd Asian Conference on Crystal Growth and Crystal Technology. A-10 (2002)
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[Publications] 首藤豊, 佐藤健一他: "非線形光学結晶GD_xY_<1-X>Ca_4O(BO_3)_3の育成と光損傷耐性の評価"第47回人工結晶討論会講演要旨集. 39-40 (2002)
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[Publications] 佐藤健一, 首藤豊他: "希土類カルシウムオキシボレート結晶の光損傷評価"レーザー学会学術講演会第23回年次大会 講演予稿集. 167 (2002)