2002 Fiscal Year Annual Research Report
共役拡張ポルフィリンと配位化学を基礎とした光・電子機能材料の合成
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01F00074
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
小野 昇 愛媛大学, 理学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沈 珍 愛媛大学, 理学部, 外国人客員研究員
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Keywords | ポルフィリン / ピロメテン色素 / 共役拡張 / Diels-Alder反応 / 有機EL |
Research Abstract |
共役が拡張した分子は,各種の光・電子機能材料として非常に注目されている。一般にこれらの分子は平面性が高いため溶解性が乏しく精製が困難であった。我々は,この困難さを克服する方法として,ビシクロ置換ポルフィリンを用い,さらに加熱により逆Diels-Alder反応を起こさせて平面性の高い共役拡張分子に変換する方法を検討してきた。本年度の研究成果として,ビシクロ置換ピロールと三重結合をもつアルデヒドとの反応により,ポルフィリンのメソ位に三重結合が置換されたポルフィリンの合成に成功した。このポルフィリンの溶液は緑色であった。得られたポルフィリンの逆Diels-Alder反応によるさらに共役の拡張したポルフィリンを合成したところその色は赤色であった。このことは,ソーレバンドの吸収により赤色になり,Qバンドはさらに長波長シフトし800nmを越えたためと考えられた。この興味深いポルフィリンの電子状態を吸収,蛍光,電気化学などの手法を用いて明らかにした。また,ビシクロ縮環ピロールのみならずビシクロ縮環チオフェン及びフランの合成にも成功し,これらを組み込んだ環状多量体の合成に成功した。また,ビシクロ環をもつピロールから,ピロメテン色素を合成し,それらの蛍光色素としでの機能を検討した。その結果,有機EL用の緑の発光材として有望な物を見いだした。さらに,青,赤の発光材の開発を目指して研究を継続している。
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Research Products
(1 results)