2002 Fiscal Year Annual Research Report
有機エレクトロルミネッセンス素子用赤色発光材料の開発
Project/Area Number |
01F00078
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
城田 靖彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
於 軍勝 大阪大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員PD
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Keywords | 有機EL素子 / 赤色発光材料 / ドーパント |
Research Abstract |
有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子のフルカラー化を実現するためには、青、緑、赤の三色の素子を組み合わせる必要がある。これまで、青および緑色発光有機EL素子に関しては、色純度が高く、優れた発光特性を示すものが開発されているが、赤色発光素子に関しては、充分な色純度および発光特性を示すものは未だ開発されていない。これは、優れた赤色発光材料が開発されていないためである。 本研究では、高性能赤色発光有機EL素子開発の観点から、従来の赤色発光材料とは分子構造の全く異なる新しいタイプの赤色蛍光色素、[7-dimethylamino-3-(2-thienyl)-chromen-2-ylidene]-2,2-dicyanovinylamine (ACY)および{10-(2-thienyl)-2,3,6,7-tetra-hydro-1H,5H-chromeno[8,7,6-ij]-quinolizin-11-ylidene}-2,2-dicyanovinylamine (CQY)を設計・合成した。 創出したACYおよびCQYは色純度の高い赤色の蛍光を示し、THF希薄溶液におけるACYおよびCQYの蛍光極大波長はそれぞれ615および632nmであった。また、ACYおよびCQYのTHF希薄溶液における蛍光量子収率はそれぞれ0.81および0.93であり、極めて高い値を示す。 発光層としてACYあるいはCQYをドープしたtris(8-quinolinolato)aluminum (Alq_3)を用いる有機EL素子は、ACYあるいはCQYに基づく色純度の高い赤色の発光を示した。作製した素子の発光特性は、これまでに報告されている赤色発光有機EL素子の中で最高レベルであり、本研究で創出した赤色蛍光色素が赤色発光有機EL素子用のドーパントとして非常に優れていることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Yu Jenshung, Yasuhiko Shirota: "A New Class of High-performance Red-fluorescent Dyes for Organic Electroluminescent Devices, [7-Diethylamino-3-(2-thienyl)chromen-2-ylidene]-2,2-dicyanovinylamine and {10-(2-Thienyl)-2,3,6,7-tetrahydro1H,5H-chromeno[8,7,6-ij]quinolizin-11-ylidene}-2,2-dicyanovinylamine"Chemistry Letters. 948 (2002)