2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01F00082
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
寺部 茂 姫路工業大学, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LIU Bifeng 姫路工業大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | マイクロチップ電気泳動 / 化学発光検出 / ルミノール / 金属イオンの検出 / 過シュウ酸エステル / ダンシルアミノ酸 / 高感度検出 |
Research Abstract |
電気泳動チップは,紫外線リソグラフィーを用いて厚膜のネガ型感光性レジストを用い,レジストにマイクチャネルの鋳型を作製し,反転パターンをポリジメチルシロキサン(PDMS)樹脂に転写し,それを平坦なPDMS板と接合することにより作製した。化学発光反応にはルミノール-過酸化水素系と過シュウ酸エステル-過酸化水素系を用いた。前者では金属イオンの検出に,後者ではダンシルアミノ酸の検出に適用した。チップ電気泳動では分離した成分を含む溶液の体積が小さいので,反応部分の体積をできるだけ小さく保つことが必要である。そのために3種のチャネルパターンを作製し,性能評価を行った。(1)十字交差型,(2)十字とY字との組み合わせ型,(3)十字とV字の組み合わせ型である。3種の型とも,十字部分で試料を注入し,(1)では分離チャネルの端の泳動液溜に化学発光試薬を添加しておき,分離チャネル先端で化学発光させた。(2)ではY字の一方は泳動チャネル,もう一方のチャネルから化学発光試薬を電気浸透流により送液し交差点で反応させた。(3)ではV字の一方は泳動チャネル,もう一方のチャネルから化学発光試薬を圧力差流により流し,V字の頂点で化学発光させた。ルミノール発光で金属イオンを検出する場合には(2)のパターンが優れており,Co(II)で検出限界0.5μM,絶対量で160amolであった。過シュウ酸エステル反応の場合には,(3)のパターンが優れており,ダンシルグリシンに対して,検出限界0.4μM,60amolであった。過シュウ酸エステルは水に難溶性なので,アセトニトリル溶液として用いた。そのため電気浸透流が弱く,化学発光試薬溶液の送液に圧力差流を用いる必要があった。これらの方法の再現性は満足できるものであり,本研究はチップ電気泳動における化学発光検出が高感度で,優れた検出法であることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)