2002 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ構造セラミックスのバイオミメティック合成と高機能化
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01F00090
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
河本 邦仁 名古屋大学, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
彭 子飛 名古屋大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 蛍光体 / 応用 / セラミックタイル / コーティング / SiO2膜 / 窒素雰囲気 / 作製 |
Research Abstract |
19世紀より発光現象(PSL)は報告されていZnS:Cu蛍光体は燐光を発する蛍光体として良く知られており、19世紀初頭より様々な分野で用いられてきた。この蛍光体は緑色の蛍光(530nm)を示し、人間が視覚で認識するにあたり適した波長の光である。しかし、すべての用途に対して十分な発光強度を有するわけではなく、また、2,3時間以上の発光を持続するものでもない。また、SrAl_2O_4:Eu^<2+>蛍光体も緑色の蛍光(520nm)を発することで知られている。この蛍光体の研究は主に1960年代から1970年代初期にかけてランプやカソード(CRTの陰極)として研究された。Palillaらは、初期の早い発光減衰のあと、とても低い発光レベルの長い持続光があることを報告した。1990年代に入り、SrAl_2O_4:Eu^<2+>、Dy^<3+>,CaAl_2O_4:Eu^<2+>、Nd^<3+>、SrAl_<14>O_<25>:En^<2+>、Dy^<3+>といった新しい発光材料が報告された。これらの蛍光体はとても発光強度が強く、夜中発光するだけの超寿命を有していた。これらの高い特性により、蛍光体は多くの分野で用いられるようになった。私の研究目的は、蛍光材料のセラミックタイルとしての応用を研究することであり、大気中での焼成により発光特性を有しない原因の解明、また、水溶液中での蛍光材料の作製に関するものである。 電子空孔トラップ理論により説明される。Eu^<2+>がであり、SrAl2O4:Eu^<2+>が蛍光を発するか否かを決定する。Dy^<3+>は補助的な活性物質であり、蛍光体寿命および、発光強度を決定する。蛍光体中にが存在しない場合、発光しないのである。そのため、Eu^<2+>は発光材料にとって非常に重要である。 なぜ高温焼結後に発光を示さないのかという疑問を、各種手法により明らかにした(XRD、TG-DTA、XPS、SEM、EDX、蛍光測定)。それは、蛍光体中のEu^<2+>がEu^<3+>に酸化され、蛍光体中に存在しなくなる為である。この問題は焼成雰囲気に窒素を用いることで解決できた。言い換えると、焼成前の蛍光体に比べて、焼成後に於いても発光強度、励起時間、発光波長等に変化はなかった。窒素焼成以外にも、蛍光体の発光特性保持に対していくつかのアプローチがなされた。透明SiO2膜での蛍光体コーティングについても研究を行った。透明SiO2ゾル膜はSi(OC2H5)4の加水分解により調整された。いくつかの蛍光材料をエタノール中に分散し、その後SiO2ゾル中に分散し、ゲル化するまで65℃で撹拌した。ゲルは乾燥後1300℃で1時間大気焼成した。また、この際、いくつかのモル比(蛍光体:SiO2)により実験を行った。さらに、フッ素配位子を用いての、水溶液からの蛍光体作製も試みた。
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