2002 Fiscal Year Annual Research Report
中国系栽培バラに特有な香気成分trimethoxy benzeneの生成に関わる O-Met-transferase遺伝子の解析
Project/Area Number |
01F00102
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
渡辺 修治 静岡大学, 農学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WU Shuiqin 静岡大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | R.chinensis var.spontane / 1,3,5-trimethoxybenzene / O-methyltransferase / methyleugenol / isomethyleugenol |
Research Abstract |
特有の香気成分1,3,5-trimethoxybenzeneを生成・発散する中国系バラ原種R.chinensis var.spontaneaを材料とし、上記化合物およびmethyleugenolをはじめとする香気成分生成に関わると考えられるO-methyltransferase (OMT)遺伝子の解析を行った。 上記材料の花弁からmRNAを抽出しcDNAを調製した。既知OMTの保存領域からデザインしたプライマーでRT-PCRを行い、異なる3種のcDNA断片を得た。次いでRACE法によりそれぞれの全長クローンを得、大腸菌で発現させた。各種フェノール系化合物に対するOMT活性を検討したところ、RcOMT2と命名したクローンはligninの合成にかかわるCOMT活性を示、1,2-dimethoxycathecolの2番目のメチル化に関わる酵素であることが強く示唆された。RcOMT2と命名したクローンは(iso)eugenolを(iso)methyleugenolに特異的に変換するIEMT((iso)eugenol O-methyltransferase)活性を示しす遺伝子であった。また、Genebankでの相同性検索をした結果、本遺伝子ではアミノ酸レベルで、他のOMT遺伝子と最大53%しか相同性を示さなかった。また、既に報告されたClarkia breweriから単離したIEMTとも46%のと低い相同性であったことから、本遺伝子は、新規OMTであることが明らかとなった。RcOMT3機能は未解明であるが特にRcOMT1は花弁および雌蘂での発現が高く、葉では発現していなかった。さらに本来の目的であるphloroglucinolを基質とする酵素を花弁から精製し、電気泳動上得られた3バンドのTOFMS/MS解析から得られた部分ペプチド配列をもとにクローニングし、ORFの全部分配列を決定しPOMTと命名した。同時に大腸菌で発現したところPOMTは目的の機能を有することも明らかにした。 以上の研究成果を2002,2003年度の農芸大会およびGordon Research Conference(2002)で発表するとともにRcOMT1-3に関してはJ.B.B.に投稿し印刷中である。また、POMTに関しては特許出願準備中である。
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