2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01F00117
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
米山 弘一 宇都宮大学, 野生植物科学研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
周 偉軍 宇都宮大学, 野生植物科学研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 根寄生雑草 / カルス / 無菌的寄生 / 植物ホルモン / 発芽刺激物質 / 吸器 / インビトロ |
Research Abstract |
本研究の最終年度に当たっては、根寄生雑草オロバンキ(Orobanche)の種子からカルスを誘導し、誘導したカルスを無菌条件下で宿主植物の根に寄生させるという、インビトロ感染系の確立を目指した。実験に使用したオロバンキは、国内に自生するO.minor、スーダンおよびイスラエルから入手したO.ramosaおよびO.aegyptiacaである。この3種のオロバンキの中ではO.minorからのカルス誘導がもっとも困難であった。また、種子からのカルス誘導では、種子を前培養後に発芽刺激物質で処理した場合にのみ発芽率も高く、カルス誘導の成功率も高かった。カルス誘導培地のオーキシンとサイトカイニンの含量および比率によって、様々な生育速度および形態を有するカルスが誘導された。これらのカルスの中には、生育速度は遅いがシュート状あるいは不定根状の突起を有するものがあった。次に、これらのカルスを用いて無菌状態で育てた宿主の根への感染を試みた。そめために、宿主としてトマト、アカクローバー、ナタネを1/2MS寒天培地を流し込んだ長方形の透明プラスティック容器内で育て、その根の上にカルスを置いた。しかし、カルスが直接寒天培地に接触すると死滅したため、カバーグラスを根と培地の間に挿入して、カルスと培地の接触を避けた。誘導された種々の力ルスをこの方法で宿主の根の上に置いて寄生させようと試みた結果、「形態分化」したカルスのみが寄生した。すなわち、寄生するためには、未分化なカルス状ではなく、不定根あるいはシュート状に分化した細胞が必要であり、おそらく分化した細胞が宿主の根への侵入器官=吸器へと発達するのであろう。以上の研究成果の一部は、論文としてとりまとめられ、国際誌に掲載された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] W.J.Zhou, K.Yoneyama, Y.Takeuchi, S.Iso, S.Rungmekarat, S.H.Chae, D.Sato, D.M.Joel: "In vitro infection of host roots by differentiated calli of parasitic plant Orobanche"Journal of Experimental Botany. 55(398). 899-907 (2004)