2002 Fiscal Year Annual Research Report
アクアビルナウイルス感染症に対するDNAワクチンの開発
Project/Area Number |
01F00123
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
鈴木 聡 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHANG Chuan Xi 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | Marine Birnavirus / DNA Vaccine RNA / polymerase / Polyprotein / Virus gene |
Research Abstract |
近年ヒラメ種苗生産現場等で突発的に発生するアクアビルナウイルス感染症に対するDNAワクチンを開発するための研究を行ない,下記の成果を得た。 まず,DNAワクチンを開発するためには,ウイルスの全遺伝子配列とその株間の差異を解明した。RNA dependent RNA polymeraseの遺伝子を解読した結果,本遺伝子は株間で高度に保存的な配列をもつことが明らかになった。しかし,サケ科魚類のビルナウイルスIPNVとは違いが見い出され,アクアビルナウイルスは本遺伝子の比較から3ゲノタイプにわけられ,マリンビルナウイルス(MABV)全株は同一のタイプに分類された。(Archives of Virology, 148, 745-758, 2003,に発表) つぎに,ウイルス主要抗原を担うVP2をふくむ分節Aの全塩基配列を決定し,種々のビルナウイルスと比較した。その結果,MABVの分節AはIPNVや鳥類,昆虫のビルナウイルスと完全に分離されたゲノグループを形成し,MABVはあたらしいゲノグループとすべきであることを提唱した(投稿中)。 上記の塩基配列解析から,分節Aの数カ所を標的としたDNAワクチンを作成した。種々の発現ベクターと遺伝子の組み合わせを行ない,VP2とVP3遺伝子を組み込んだ5種の候補ワクチンを完成させた。大腸菌中では良好な発現をした。今後は,魚類(ブリ)を使ったin vivoテストを行う。MABVに対するDNAワクチンを作成したのは今回が世界初であり,今後効果に期待が持てる。
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