2002 Fiscal Year Annual Research Report
反芻家畜における栄養素排泄低減のための栄養・飼料制御技術の開発に関する研究
Project/Area Number |
01F00125
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
矢野 秀雄 京都大学, 農学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ISLAM M 京都大学, 農学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 食品製造副産物 / フィターゼ / リン排泄 / 飼料 / メタン / タンパク質 / エネルギー |
Research Abstract |
我が国では、食品製造副産物の飼料としての利用が環境保全の点からも、飼料の自給率を上げるためにも望まれているが、いまだ十分に利用されていない。本研究は、特に発酵食品製造副産物の飼料としての利用を試みた。我が国では、食品製造副産物の飼料としての利用が環境保全の点からも、飼料の自給率を上げるという点からも望まれているが、いまだ十分に利用されていない。本研究は、特に発酵食品製造副産物の飼料としての利用を試みた。第一に様々な発酵食品製造副産物の成分分析を行い、その飼料としての利用の可能性を検討した。ビール粕、ビール酵母、ウイスキー粕、醤油粕はかなりの量の有機物と粗タンパク質を含んでおり、濃厚飼料の代替物として利用できる可能性が示された。また、醤油粕はマクロミネラル(ナトリウム、塩素、リン、カルシウム)に富んでおり、マクロミネラル源としての利用が可能であることが明らかとなった。一方、焼酎粕は水分含量が著しく多いため、利用する上で問題であることが示された。第二に高い水分含量の焼酎粕を利用するため、様々な濃度の焼酎粕とイナワラを用いたサイレージ調製を行い、ヤギにおける嗜好性を検討した。イナワラと比較し、イナワラと等量の焼酎粕からなるサイレージは嗜好性が高いことが明らかとなり、また、このサイレージのみを給与することにより体重を維持できた。 第三にイナワラまたは焼酎・イナワラサイレージとビール粕、醤油粕、ビール酵母からなる飼料を調製し、ヤギを用いた消化試験に供試した。飼料の乾物、粗タンパク質、粗脂肪、粗繊維の消化率は焼酎を加えることにより向上した。反芻胃内pHは6.43〜6.90であり、アンモニア態窒素は25.9〜45.9mg/dlであり、反芻胃内微生物が繊維消化を行う上で良好な環境を保てることが示された。
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