2002 Fiscal Year Annual Research Report
人的ファクタが形の知覚に及ぼす影響-環境心理学への応用を求めて-
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01F00155
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
上村 保子 千葉大学, 文学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 顕静 千葉大学, 文学部, 外国人特別研究員
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Keywords | ヒューマン・ファクタ / 環境知覚 / 形態知覚 / 道路環境 / 環境的要素 / 心理的な要素 |
Research Abstract |
金顕静氏と共に我々が平成14年度に行った研究は、人間と環境との関係についてヒューマン・ファクタの観点からアプローチし、様々なヒューマン・ファクタが形の知覚および環境知覚にどのように影響するのかに検討を加えることである。そして、これまでの研究成果としては、まず予備調査と実態調査の成果があげられる。予備調査では人間工学、感性工学、心理学、環境学などの幅広い分野からヒューマン・ファクタと形の知覚との関係が文献を通して調べられ、次の環境実態調査ではヒューマン・ファクタが形の知覚に及ぼすさまざまな影響を道路環境および施設物を対象に形態知覚への影響を、実際の現場インタビューおよび道路環境の観察調査を通して調査した。そして、これらの結果により、形の知覚や環境知覚に影響を与えるヒューマン・ファクタはかなり数多く、性別・加齢・単眼・両眼・視力などの生理的側面をはじめとし知識・経験・注意・記憶・学習の程度等の情報選択的側面、また視覚ストレス・聴覚ストレス・覚醒状態の心理的側面などのさまざまなファクタが存在し、環境知覚には常にこれらによる影響が考えられることが明らかになった。 そのため、現在はヒューマン・ファクタが道路の環境知覚及び形態知覚に及ぼすさまざまな影響を多角的な実験を通してより具体的に調べることを試み、走行環境での形態情報、聴覚情報、時間情報を続制した実験プログラムの製作に取りかかっており、これらの実験結果を基にヒューマン・ファクタと環境的な要素が道路環境の知覚に及ぼす影響及び相互関連性について調べる。そして、これらの研究の結果は、今後ヨーロッパ知覚学会に発表する予定である。
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