2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01F00157
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
橋爪 大三郎 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BATOR?LUKASIEWICZ J. M. 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 日本フェミニズム / ラカン派精神分析 / ポーランドフェミニズム |
Research Abstract |
2年間の滞在を通じて、日本フェミニズム、ならびに、女性をとりまく現代日本社会の状況についての理解を深めることができ、研究の目的が達せられ、その成果は期待を上回るものがあった。 まず第一に、日本の研究者との持続的な協力関係を構築できたこと。上野千鶴子氏(東京大学)、落合恵美子氏(京都大学)、加藤典洋氏(明治学院大学)、山口しのぶ氏(東京工業大学)らの協力をえて、学際的な見地から研究を精力的に進め、日本におけるポストモダン状況のなかでのフェミニズムの展開と女性をとりまく社会の現状を、考察・分析することができた。この成果は、著書および論文のかたちで逐次出版されつつある。 第二に、以上と関連して、日本現代文化の興味ぶかいトピックを母国ポーランドに紹介する活動を生産的に進めることができたこと。少女マンガ、レディスコミック、水子供養、タカラヅカ歌劇、原宿文化などさまざまな日本文化を、ラカン派精神分析の理論をベースに、その無意識な水脈にさかのぼって、分析・再構成する作業が実を結びつつある。これらの分析は、ポーランドを代表する日刊紙の連載や、ポーランド科学アカデミーの紀要、単行本『Bare Foot』の出版などとして、続々発表されている。 第三に、日本でのインタヴューやケーススタディを踏まえ、ポーランドの事例と比較しながら、欧米の標準的なフェミニズム社会学の理論を修正する作業を、かなり進めることができた。この成果は、「非西欧圏ポストモダン・フェミニズムの理論と現状--日本とポーランドの事例から(仮題)」として、国際ジャーナルに発表を準備中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Bator-Lukasiewicz, J.M: "Cruelty and Hope"Culture and Society. nr2. (2003)
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[Publications] Bator-Lukasiewicz, J.M.: "My Japanese Sisters"High Heels. 5月10日号. (2003)
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[Publications] Bator-Lukasiewicz, J.M: "Lolita Complex: a Japanese Way"High Heels. 10月9日号. (2003)
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[Publications] Bator-Lukasiewicz, J.M: "Japan of Many Sexes"Proarte. nr18. (2003)
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[Publications] Bator-Lukasiewicz, J.M: "Takarazuka Theater : She is Such a Perfect Man!"Gender and Culture. (未定). (2004)
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[Publications] Bator-Lukasiewicz, J.M: "Barefoot"Twoj styl Publishing House. (2004)