2002 Fiscal Year Annual Research Report
多文化共生と異文化理解教育に関する比較社会学的研究
Project/Area Number |
01F00158
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 英典 東京大学, 大学院・教育学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHANQ Qiong Hua 東京大学, 大学院・教育学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 多文化共生 / 異文化理解 / 国際理解教育 / 多文化教育 / 異文化間教育 |
Research Abstract |
本研究は、多文化共生と異文化理解教育という観点から、多文化教育、国際理解教育、異文化間教育等の理念的・実践的問題と課題を中国と日本を事例として考察する。この課題を二年にわたって遂行するが、この最初の一年間は、主に以下のように進めてきた。 第一に、日本における国際理解教育・異文化間教育に関する政策やプログラム及び先行研究を分析・検討した。 第二に、日本の小中学校における国際理解教育や異文化間教育の実態について調べてきた。 (1)国際理解教育がどのように行われているかを把握するために、小中学校での総合的な学習を参観し、主に生徒の学習内容、学習様子及び国際理解スタッフ(日本在住外国籍の方)による活動を観察した。また、学校で世界各国の写真や品物を展示するために設置されているワールドルームやワールドコーナーを見学した。 (2)国際理解・開発教育を積極的に取り込んでいる先生に対して、どのような考えをもって、どのように学習プランを立てているのかなどについてインタビューをした。 (3)日本語力不十分な外国人や帰国者の子どもに対して行われている取り出し授業を参観し、その授業を受けている生徒に対して本国での学習経験と日本での学習などについて聞き取り調査をした。 第三に、国際理解教育に関する教師の実践報告書や県の国際協力普及事業事例報告書について検討した。 以上のように、この一年間日本における国際理解教育や異文化間教育に関する方針や施策、そしてそれらの教育の実態を検討した。次に、国際理解教育や異文化間教育はいかなる機能を果たしているか、そこにどのような問題と課題があるかを明らかにする。そのために、現在は、来年度に実施する質問紙調査の枠組みや内容を検討している。もう一方で、比較的視点からこれまで行ってきた多文化教育に関する研究成果を再検討し、そこに潜在する理念的・実践的問題を理論化する。最後に、日本と中国との比較から、異文化理解教育の構造・機能と課題の全体像を解明する。
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Research Products
(1 results)