2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01F00167
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高阪 章 大阪大学, 大学院・国際公共政策研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
POBRE MERVIN LUBONG 大阪大学, 大学院・国際公共政策研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 金融政策 / 信用経路 / 波及メカニズム / アジア諸国 |
Research Abstract |
今年度の研究実績は次のことである。 第一は韓国、フィリピン及びタイにおける金融政策とその波及メカニズムを計量的に分析をしたこと。検討した問題は、 (1)金融政策はどの程度経済活動に影響を与えるのか、(2)GDPの構成要素のうち、どの項目が最も影響を受けるのか、そして、(3)貨幣や資金調達の際のプレミアムなどその他の経済的変数はどのように金融政策に反応するのかである。分析の結果、次のことを明らかにした。まず、金融引き締め政策を導入した後、実質GDPは持続的に減少すること。ここで、実質GDPの反応には遅れがあり、金利が反応した後に実質GDPが減少する。そして、固定資本形成(投資)が個人消費に比べてより強く金融引き締め政策に対して反応すること。最後に、すべての対象国において、信用市場の状況は金融政策ショックの波及に大きな役割を果たしていること。この論文はReferee付きJournalに出す予定である。 第二はインドネシア、韓国、マレーシア、フィリピン及びタイにおける金融システムの分析をしたこと。検討した問題はそれぞれの金融システムはBank-basedなのかまたはMarket-basedなのかである。分析の結果、インドネシア、韓国、フィリピン及びタイはBank-basedで、マレーシアはMarked-basedである。この結果を用いて、次に検討したい問題は、このような金融システムは企業のパフォーマンスにどんな影響を与えるか。計量分析はまだ進んでいるところである。
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