2002 Fiscal Year Annual Research Report
包絡分析法におけるスケールエコノミー,不可分性及び生産関数に関する研究
Project/Area Number |
01F00174
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
刀根 薫 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SAHOO Biresh Kumar 政策研究大学院大学, 政策研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 規模の収穫 / エコノミーオブスケール / 不可分性 / 生産関数 / DEA / FDH / 生産性 |
Research Abstract |
本研究において次のような成果が得られた。アダムスミス以来研究されてきた規模の収穫(Returns to Scale=RTS)の概念とエコノミーオブスケール(Economies of Scale=ES)の違いについて厳密に再検討した。その結果前者は生産ユニットにかかわり後者は工場自体に関連する概念であることが分かった。エコノミーオブスケールは次の5つの事項と関連している。(1)規模の収益、(2)生産要素のオーバーヘッドと不可分性、(3)外部および内部経済、(4)企業と関連業者間の契約、(5)組織の効率性を決めるそれらの相互作用。したがってESとRTSは発生源が異なり混用することはできない。さらにプロセス不可分性が生産過程に含まれているためにRTSの測定が困難になることをインドのセメント工場の事例をもとに検証した。従来の生産関数型のアプローチではその測定は困難である。それに対してnonparametricに多入力、多出力系のシステムの効率性を測定するDEA(Data Envelopment Analysis)が有望な代替手法であるが、DEAにおいてもプロセス不可分性を考慮しなければならない。この点DEAの中でもFDH(Free Disposal Hull)モデルが適していることが判明した。この研究結果を元にSEをDEAの枠内で再定義した。同様に入力と出力の間の弾力性を計測する新手法を開発した。この方法によりNTTの経営データを資本、労働、材料の面から効率性を計測した結果、近年、材料(アクセスライン)と労働の生産性が著しく低下していることを検出した。
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Research Products
(1 results)