2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01F00204
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
永田 雅人 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WALL DARREN 京都大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 回転チャンネル流 / 回転平面ポアズイユ流 / レイノルズ数 / 線形安定性 / 非線系縦渦解 / フロケ係数 / エックハウス不安定 / サブ・ハーモニック解 |
Research Abstract |
1.平成13年度に完成させた回転チャンネル流の縦渦型非線形解を求める数値計算プログラムを回転平面ポアズイユ流の場合に適用し、中立曲線上から分岐する縦渦解の枝を、様々なスパン方向波数について追跡した。その結果、ある縦渦解の枝は、回転クエット流の場合と大きく異なり、回転パラメータを固定し、レイノルズ数を線形臨界値から増加させていくと、あるレイノルズ数の値で折り返り、レイノルズ数が減少する方向に向かい、ついには、この解のスパン方向波数のちょうど倍の値の波数を有する縦渦解の枝上で終焉していることがわかった。この状況は2次元縦渦の線形安定性解析で得られたエックハウス不安定性に起因するsplitting and mergingの現象(Guo and Finlay(1991))の解明を非線形段階にまで引き上げたことで注目に値する。 2.さらに、今年度は2次元非線形縦渦解の安定性解析プログラムを完成させ、前述の波数比が1対2のふたつの縦渦解の融合点での固有値の変化を詳しく調べ、2つの独立した数値計算プログラムの整合性を検証した。また、基本となる波数を持つ縦渦解、および、そのサブ・ハーモニック縦渦解の安定性を、融合点のみならず枝上のすべての点で調べ、2次元縦渦解が3次元微小擾乱に対して不安定になるパラメータ値、および擾乱のフロケ係数を求めた。その結果、2次元縦渦解からの分岐点は少なくとも2点存在することをつきとめ、また、それぞれの点から分岐する3次元非線形解は空間的に異なった構造をしていることが判定できた。現在、このパラメータ値から分岐する3次元非線形解をその空間対称性を考慮に入れて数値的に検索している。 3.平成15年2月に研究代表者は研究分担者と信州大学を訪問し、回転平面ポアズイユ流の実験で功績のある同大学機械システム工学科の松原雅春助教授と情報交換をし、将来、実験と理論の定量的な比較を実現するための打ち合わせを行った。今年度の研究成果は平成15年7月にバルセロナで開催される第13回国際クエット・テーラーワークショプで報告する予定である。
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