2002 Fiscal Year Annual Research Report
発展途上国における持続可能な都市交通システム構築における交通需要管理政策の評価法に関する研究
Project/Area Number |
01F00221
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森川 高行 名古屋大学, 環境学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DILUM Deepika Abeyakone Dissanayake 名古屋大学, 環境学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 発展途上国 / 交通需要管理 / 交通行動分析 / 自動車保有 |
Research Abstract |
発展途上国における急激なモータリゼーションの進展は,交通渋滞の問題だけでなく,エネルギー環境問題を通して人類全体の持続可能性の脅威となっている.これを解決するためには,公共交通機関の整備や土地利用の改変などのハード面における長期的対策とともに,自動車利用に依存する交通行動に直接働きかける交通需要管理(TDM)政策などのソフト的対策を同時に推し進めてゆく必要がある. そこで本研究では,まず,当研究グループが構築した,世帯ベースでの自動車・二輪車の保有及び交通手段の同時選択モデルを用いて,バンコクを対象に各種交通政策の効果をシミュレートした.その結果,ロードプライシングで得た収入をバス運賃補助に活用するような「アメとムチ」型の交通政策や,土地利用の改変とロードプライシングを組み合わせたような「パッケージ型」のアプローチを採用することにより,交通量及び環境負荷が大幅に削減可能であることが明らかとなった. 上述のモデルは,1時点のクロスセクショナルデータに基づいて構築したモデルであるため,特に自動車保有等の長期的意思決定に基づく交通需要の推移を厳密に表現し得るものではない.そこで,次に,急激なモータリゼーションを経た先進国の例として名古屋に着目し,1970年代からの3時点の行動日誌データを用いて,自動車・二輪車保有行動の基礎的な分析を行った.併せて,バンコク及びクアラルンプールのデータについても同様の分析を行い,それらの比較を通じて,自動車・二輪車保有に何らかのトレンドがあるか否かを検討した.その結果,いずれのデータにおいても自動車・二輪車保有台数は,世帯における就業者数と最も相関が高く,また,経済が成熟するにつれ,二輪車から自動車保有へとシフトする傾向がある,等の知見が得られた.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Dissanayake, D., Morikawa T.: "A Combined RP/SP Nested Logit Model of Vehicle Ownership, Mode Choice and Trip Chaining in Developing Countries"Traffic and Transportation Studies (Proc. of ICTTS 2002). Vol.1. 588-595 (2002)
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[Publications] Dissanayake, D., Morikawa T.: "Investigation of Household Travel Behavior in Developing Countries"Paper Presented at 82^<nd> TRB Annual Meeting. (CD-ROM). (2003)