2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01F00268
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山村 力 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MEHMOOD Mazhar 東北大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | タンタル / 電解 / 析出 / 被覆 / 溶融塩 / 均等化反応 / ニッケル / タングステン |
Research Abstract |
タンタルをステンレスや銅などの構造材上に析出させて、被膜を形成すれば、極めて優れた耐熱性・耐食性機能を付加することが可能である。しかし、タンタルは化学的に活性であり、一般的に行われている水溶液からなる電解浴では、バルブ金属に属するタンタルを電解メッキはできない。そこで本研究では溶融アルカリ金属ハロゲン化物を電解浴として用いて溶融塩電解析出により被膜を形成する方法を開発することを目的として行った。15年度は特に溶融塩電界析出の機構を解明し、さらに析出形態および組成を制御した厚膜を形成するための最適電解析出条件を明らかにすることを目標とした。 前年度の結果に基づき電解浴として55mol%LIF-35mol%NaF-10mol%CaF_2を基礎電解浴として、これに1〜2mol%K2TaF_7をタンタル源として添加した。 非定常電気化学法による析出機構の検討を行った。700℃ではTaはTaF_7^<2->およびTaOF^<5->なるイオン種として存在し、前者はニッケル参照極に対して-0.5Vで、後者は-0.55Vで金属にまで直接還元されることが分かった。とくに後者の還元析出においてはCaF_2の存在により酸化物イオンの放出が促進され、平滑な、均質な厚さの析出物が得られる事が分かった。 析出基板をタングステン、ニッケルと変化させて析出形態への影響を検討した。タングステンを析出基板とした場合は緻密な析出を生ずる電流密度範囲は極めて狭いが、ニッケルを基板とした場合にはタンタルよりも約0.25V貴な電位で析出した。SEM観察によるとW-Ni金属管化合物としてまず析出し、続いて純粋なTaが析出し、基板への密着性に優れる析出が得られることが分かった。 Ta(五価)のTa(二)への還元も確認され、電解浴中では不均等化・均等化反応が生じており、その制御が密着性の良好な析出を得るために重要であることが分かった。0.5〜1.0kA・m^<-2>の定電流密度電解により緻密かつ平滑なタンタル被膜を得ることが分かった。これよりも高電流密度では、析出膜は多孔質であり、これ以下では析出物は得られなかった。成果を学術雑誌に投稿し、掲載された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Mazhar Mehmood, Nobuaki Kawaguchi, Hideki Maekawa, Yuzuru Sato, Tsutomu Yamamura, Masayoshi Kawai, Kenji Kikuchi: "Electro-Deposition of Tantalum on Tungsten and Nickel in LiF-NaF-CaF_2 Melt Containing K2TaF7-Electrochemical Study"Materials Transactions. 44・2. 259-267 (2003)
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[Publications] Mazhar Mehmood, Nobuaki Kawaguchi, Hideki Maekawa, Yuzuru Sato, Tsutomu Yamamura, Masayoshi Kawai, Kenji Kikuchi, Michihiro Furusaka: "Compact Coating of Tantalum on Tungsten Prepared by Molten Salt Electrodeposition"Materials Transaction. 44/9. 1659-1662 (2003)