2002 Fiscal Year Annual Research Report
有機金属の手法を用いる発光特性に優れた新規含π共役系ポリマーの合成と物性評価
Project/Area Number |
01F00276
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 隆一 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
QIANG Fang 東京工業大学, 資源化学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | π共役ポリマー / 光物性 / 有機金属重縮合法 / 電気化学的応答 / ポリ(ジアリーリデンキノン) / ポリ(アリーレンエチニレン) / 固体構造 / 熱分析 |
Research Abstract |
シクロヘキサノンの2,6-位にアリーリデン基が結合して生成する新規π共役高分子であるポリ(ジアリーリデンシクロヘキサノン)を合成した。得られた高分子は7800と18200の数平均分子量と重量平均分子量を示した。また、ベンゼン中で0.70dlg^<-1>の固有粘度を示した。この高分子は392nmに紫外可視吸収ピークを示し、また発光性であり533nmに蛍光を示した。示差熱分析においては、85℃にガラス転移店を示し、200℃以上で相転移を示した。粉末X線構造解析においては、ポリマー平面が重なり合った集積構造をとっていることが推定された。また、このポリマーは電気化学的に活性であり、Ag/AgNo_3に対して1.06Vにピークを示しながら酸化された。また、この際に黄色から赤色への色変化(エレクトロクロミズム)が観測された。さらにこの高分子の実測密度は計算によって得られた値と対応した。 上記の高分子の他に、新規パイ共役高分子として、チアジアベンゼンとジアルコキシベンゼンを構成要素とするポリアリーレンエチニレン型ポリマーを種々合成した。この際有機金属重縮合の手法を用いた。得られたポリマーは、πスタックを起こし、薄膜が金属状に光る等の興味ある性質を示した。以上のように、本研究によって、有機金属の手法により新しい型の高分子でπ共役系を有するものが2種類得られた。これらの高分子は電気化学的に活性で発光特性を示した。
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Research Products
(1 results)