2002 Fiscal Year Annual Research Report
ナイジェリアの主要穀類ミレとソルガム澱粉の基礎と新用途開発に関する研究
Project/Area Number |
01F00282
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
竹田 靖史 鹿児島大学, 農学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GAFFA Terna 鹿児島大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | ミレ / ソルガム / 澱粉 / アミロース / アミロペクチン / 分子構造 |
Research Abstract |
ミレ(Pennisetum spicatum以下Psと略記、P. glaucum以下Pg)とソルガム(Sorghum bicolor以下Sb、S. vulgare以下Sv)の4種の穀粒から調製した澱粉について、澱粉粒の糊化特性をラピッドビスコアナライザー(RVA)により評価した。また、澱粉から分別したアミロースおよびアミロペクチンの分子構造を詳細に調べた。 RVAによる測定の結果、糊化開始温度はいずれの試料もほぼ同じで72℃前後であったが、Svについては最高粘度が他の80%程度、膨潤した澱粉粒の崩壊性を示すブレークダウンが14RVUと他の約1/5であり、他の3種とは若干異なる糊化特性を示した。 アミロースの分子構造は、Sb以外の3種では分子の数平均重合度(DPn)が880〜970、平均鎖数(NC)は3.3〜3.8、重合度の数分布には2成分が認められ重合度500程度の分子が主要な成分であることや分布の形状など、コメやトウモロコシのアミロースと同様の特徴を有していた。SbはDPnが1200、NCが4.5と他より若干高く、数分布はオオムギ、コムギのそれに類似していた。 アミロペクチンの分子構造は、数平均鎖長が20〜21、β-アミラーゼ分解限度が55〜56で単位鎖の重合度分布も非常によく類似しており、また、単位鎖画分のモル比(A+B1)/(B2+B3)の値も9.0〜11.5とほぼ同じであったことから、いずれの試料もよく似たクラスター構造をもつことがわかった。また、(A+B1)/(B2+B3)の値は他の穀類の示す値の範囲内であった。分子のDPnはSbが12500、その他が8900〜9100であった。さらにミレとソルガムの特徴としてDP数百程度の長い単位鎖が多く、重量で約8%含まれることがわかった。 以上の結果から、供試したミレとソルガム澱粉の糊化特性はSvで特徴的であり、また、分子構造はSbで若干異なるものの、他の穀類の澱粉と同様の特徴を有していることが明らかとなった。
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