2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01F00287
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
福島 武彦 筑波大学, 地球科学系, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SHANNIGRAHI Ardhendu Sekhar 筑波大学, 地球科学系, 外国人特別研究員
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Keywords | PAHs / 堆積粉塵 / 浮遊粉塵 / 環境動態 / ネットフラックス |
Research Abstract |
筑波大学陸域環境研究センター内のタワーならびに実験フィールドに(地表面からの高さ;0.5m,1.5m,12.5m),降下粉塵を採取する3種類のサンプラーを設置して,それぞれ数日間,10回弱の期間に降下粉塵を採取し,その乾燥重量,PAHs(多環芳香族炭化水素類)を測定した.その3種類とは,バケット法,水容器法,シリコングリースを吹き付けた面を上向きと下向き置き,鉛直下向きならびに鉛直上向きのフラックスを測定するボード法である.なお,鉛直上向きと下向きのフラックスの差をネットフラックス(以下ボード法)と呼ぶ. また,同じ場所でハイボリュームエアサンプラーを用いて浮遊粉塵を採取すると同時に,独立行政法人国立環境研究所でアンダーセンサンプラーを用いて粒径を13区分して浮遊粉塵を採取し,それらの乾燥重量とPAHsを測定した. 得られた結果をまとめると以下のようになる.1)乾燥重量に関しては,バケット法,ボード法,水容器法の順に小さくなったが,その差は少ない.2)PAHsに関しては水容器法,バケット法と比べ,ボード法の堆積フラックスが1/5〜1/3程度と小さい.3)どの方法とも,0.5m,1.5m,12.5mと高度が大きくなると堆積フラックスが減少する.4)乾燥重量と比べPAHsでは沈降速度が1桁以上小さい.5)バケット法では乾燥重量,PAHsの堆積フラックスは風速と有意の相関を有するが,ボード法ではそうした関係が見られない.6)堆積粉塵と比べ浮遊粉塵では高分子のPAHsに富み,特に0.1μm以下の微小粒子で高濃度である. 特に,各方法による堆積フラックスの違いと高度による堆積フラックスの違いを理論的に考察した.
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