2002 Fiscal Year Annual Research Report
魚類生殖腺における性ステロイドによる生殖腺刺激ホルモン受容体遺伝子の発現調節機構
Project/Area Number |
01F00297
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
長濱 嘉孝 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG De?Shou 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 生殖腺刺激ホルモン / 生殖腺刺激ホルモン受容体 / 魚類(ティラピア) / アンドロゲン / エストロゲン / 配偶子形成 / 生殖腺の性分化 / 生殖腺 |
Research Abstract |
本研究は、魚類の生殖腺刺激ホルモン受容体遺伝子の構造、機能、および性ステロイドホルモンによる受容体遺伝子発現調節機構を明らかにする目的で計画された。本年度は、以下の研究を行った。 1)ティラピアにおける性ステロイドホルモンによる生殖腺刺激ホルモン受容体遺伝子の発現調節機構に関する研究: 昨年度の研究では、性分化期前後の生殖腺では生殖腺刺激ホルモン受容体遺伝子の発現は認められなかったが、今年度における同時期の生殖腺でのEST解析によりFSH受容体の発現が認められたので、改めてティラピアのFSH受容体の発現を調べ直した。その結果、孵化後5日の遺伝的雌の生殖腺でFSH受容体の発現が認められ、15-20日では遺伝的雌雄の生殖腺で一過性の上昇を示し、さらに25-40日で減少し、孵化後50日には再び上昇を示した。今後、LH受容体の発現についても同様に解析する予定である。いずれにしても、魚類における性分化期生殖腺での生殖腺刺激ホルモンの役割についてさらに慎重な検討が必要であると考えられる。 2)生殖腺刺激ホルモンとそれらの受容体の生殖腺性分化における役割に関する研究: ティラピアの脳下垂体から生殖腺刺激ホルモンα、FSHβ、LHβのサブユニットのcDNAをクローニングした。なお、この研究は大学院生の范海光氏との共同研究である。 3)ティラピアにおけるDAX1とSHPのcDNAクローニングとそれらの遺伝子の発現パターン: 哺乳類や鳥類の生殖腺の性分化に関わると考えられているDAX1とその類似遺伝子であるSHPのcDNAをティラピアの生殖腺よりクローニングした。DAX1、SHPいずれのmRNAも孵化後5日の雌雄生殖腺に発現しており、その後も両者の発現は雌雄で明確な違いは認められなかった。従って、魚類生殖腺の性分化に果たすDAX1の役割は明らかではない。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Wang, D.S.et al.: "Molecular cloning of DAX1 and SHP cDNAs and their expression patterns in the tilapia, Oreochromis niloticus"Biochemical and Biophysical Research Communications. 297. 632-640 (2002)