2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01F00301
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
正田 誠 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SZCZECH M. M. 東京工業大学, 資源化学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 枯草菌 / 微生物農薬 / 種子コーディング / Rhijoctonia solani / トマト / 苗立枯病 / 黒ぼく土 / 砂土 |
Research Abstract |
1.枯草菌RB14-Cをトマトの種子にCMCを用いてコーティングした種子コーディング材を作製した。 2.この種子コーティングした枯草菌を用いて、R.solamのひきおこすトマトの苗立枯病の抑制テストを実施したところ、立枯病の抑制が見られた。この結果は、土壌の殺菌、非殺菌によらずみられた。 3.種子コーディングしたものを土壌に施用すると、トマトの根圏で枯草菌がコロニーを形成することを明らかにした。枯草菌のコロニー数は、茎から離れるにつれて減少した。コロニー形成は、非滅菌土壌の方が顕著であった。このことは、枯草菌が土壌細菌と競合して、勝っていることを示唆している。 4.枯草菌が検出される根圏では病原菌の数も少ないが、菌のつくる抗菌物質iturinの作用を考えられた。 5.1〜4の実験は神奈川県農業総合研究所から提供された砂土を用いて行った。しかしこの土壌が残量が少なく、市販で入手可能な黒ぼく土および砂土を用いることにし、今までの再現性について以下検討した。 6.種子コーディングした材を黒ぼく土に施用し、トマトの苗立枯病の抑制テストを行ったところ今までと変化のない結果を得た。砂土では非滅菌土壌における植物の生育が従来の土より低かった。 7.枯草菌のトマトの根圏への定着性を検討した結果、砂土の定着性が低くなった。 8.黒ぼく土の非滅菌条件では、枯草菌の生存率が高かった。 9.病原菌の数は、枯草菌の菌数による差が少なかった。 10.枯草菌のみを土壌に施用すると植物体の生育が低下したがこの原因については現在検討中である。
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