2003 Fiscal Year Annual Research Report
生育培地中でのBacillus属細菌の熱殺菌データベースとその穀物食品殺菌への利用
Project/Area Number |
01F00302
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
土戸 哲明 関西大学, 工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JAGANNATH Rao Aswathanarayana 関西大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 熱殺菌 / Bacillus属細菌 / データベース / 穀物食品 |
Research Abstract |
平成13および14年度において実施した、穀類食品などで変敗を起こすBacillus subtilis胞子のリン酸緩衝液での熱死滅についての取得データから線型多項式の予測モデルを提出し、さらに実際の食品の例としてスキムミルクへの適用を図り、予測モデルのバリデーションを行った。この成果は、本年度においてフランスのカンペールで開催された第4回国際予測微生物モデリング会議で発表するとともに、裏面記載の学術雑誌へ掲載された。さらに本年度における研究としては、リン酸緩衝液、種々のミルク、それらに加えて日本の伝統的食品としてのかゆと醤油についても検討して本菌の熱死滅データを取得した。そしてそれに基づいて前年度で適用した線型モデルと異なる改変WeibullモデルとBigelowモデルを用いた予測式を提出した。熱死滅経過はこれらの食品の間でかなり異なっていたが、超高温処理全乳、滅菌スキムミルク、超高温処理スキムミルクの間では大きな差は見られなかった。緩衝液系で確立されたモデルはミルク製品の死滅のシミュレーションには適用可能であったが、かゆと醤油における死滅に対しては記述できないことがわかった。これらの場合は食品自体の特性をパラメーターに導入する必要があると考えられた。この研究で得られた成果から、チャレンジテストのような結果のバリデーションをルーチン的な利用に適用する前に実施しなければならないにしても、熱死滅をシミュレートする一次モデルと温度、pH、水分活性と食品マトリックス効果を入れた二次モデルを統合するアプローチは食品への適用に有用であると思われた。
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Research Products
(1 results)