2002 Fiscal Year Annual Research Report
ポプラ類に寄生するさび菌の系統と寄生性分化に関する分子的解析
Project/Area Number |
01F00307
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
柿嶌 眞 筑波大学, 農林学系, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田 呈明 筑波大学, 農林学系, 外国人特別研究員
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Keywords | ポプラ / さび菌 / 分類 / 寄生性 / 系統 |
Research Abstract |
ポプラに寄生するMelampsora属さび菌の系統進化を明らかにし、分類を再検討するため、中国から136点、日本から554点のポプラに寄生するMelampsora属さび菌の標本を収集し、これらを用いて、系統学的観察および系統学的解析を行ってきた。 形態学的観察では、光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡を用いて、胞子堆形成部位、冬胞子の形態および大きさ、夏胞子の形態および大きさ、夏胞子の細胞壁の厚さおよび表面構造などの観察と計測を行った。系統学的解析では、PCRにより、標本のITS、5.8S rDNAおよびLSU rDNA(D1/D2)領域を増幅し、これらの塩基配列を解析して、系統学的関係を調べた。 これらの結果、中国産9種のMelampsora属さび菌の標本は、形態学的に4グループに類別できることを明らかにした。形態観察で使用した標本の一部を用いて、分子系統学的解析を行った結果、LSU rDNA(D1/D2)とITS領域(5.8Sを含む)の塩基配列によって、標本は6クレードに分かれることが明らかとなった。 以上の形態学的観察結果と系統学的解析結果を総合的に検討したところ、今回供試した標本は、系統的および形態的に異なる6グループに類別することが妥当であることが明らかとなった。現在、これら6グループの分類学的取り扱いについて検討を行っている。
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Research Products
(1 results)