2002 Fiscal Year Annual Research Report
ロシア-西シベリア地域におけるコイ科魚類遺伝資源の保全と利用
Project/Area Number |
01F00310
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
谷口 順彦 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BARINOVA Anna 東北大学, 大学院・農学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | マイクロサテライトDNAマーカー / 西シベリア / Chany湖 / オビ川水系 / 平均へテロ接合体率 / 平均対立遺伝子数 / ハーディ・ワインベルグの法則 / Siberian roach |
Research Abstract |
本年度は研究計画に基づき以下の実験を行い、成果を得た。 1)西シベリア、オビ川水系およびChany湖において6月と8月にサンプリングを行い、IdeをはじめSiberian roach、コイ、キンブナ、ギンブナを得た。 2)本年度はSiberian roachにおいてマイクロサテライトDNAマーカーの開発を行った。その結果、五つのプライマーセット(Rru-1、Rru-2、Rru-3、Rru-4、Rru-7)が有効であることがわかった。また、昨年度までにIdeにおいて開発されているマーカーのうちLid-1、Lid-2、Lid-4、Lid-8、Lid-11の5マーカーがSiberian roachにおいても有効であることがわかった。 3)これら10マーカーを用いてオビ川水系およびChany湖におけるSiberian roach集団の遺伝的組成を調べた。 4)遺伝的変異性は遺伝子座当たりの平均対立遺伝子数と平均ヘテロ接合体率(観察値、期待値)で表した。全てのマーカー座において変異が観察された。遺伝子座当たりの平均対立遺伝子数は2から8で、平均3.9であった。平均ヘテロ接合体率(観察値)は0.120から0.778に分布し、平均0.479であった。期待値は0.120から0.801に分布し、平均0.511であった。ややホモ過剰の傾向が見られた。 5)ハーディ・ワインベルグの法則からのずれは2マーカー座で観察されたが、全体としては法則からのずれは観察されなかった。
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Research Products
(1 results)