2002 Fiscal Year Annual Research Report
成長-生残関係に基づく魚類新規加入量の時空間変動モデル
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01F00311
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡邊 良朗 東京大学, 海洋研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
謝 松光 東京大学, 海洋研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | マアジ / 耳石 / 日輪 / 二次核 / 東シナ海 |
Research Abstract |
京都大学舞鶴水産実験所で2002年6月1日から60日間飼育されたマアジ稚魚(14.6〜30.8mm SL)の扁平石には58.3±1.6(N=18)の輪紋があり,この輪紋が孵化後第3日(2日齢時)に第1輪が形成される日輪であることが確認された。 マアジ扁平石は中央の耳石核(半径10.3±1.53□m)を中心に成長し,最初の二次核が孵化後29.7±6.3日(N=62)に耳石核の背側,腹側または後方に形成される。最初の二次核出現から9.1±5.1日後(N=62)に,耳石核の周りの一次成長域を取り囲んで合計6.3±1.8(N=62)個の二次核が形成されると,耳石核の背側,腹側,後方の二次核の形成が終了する。耳石核前方域にはその後も成長に伴って次々と新しい二次核が形成される。二次核形成後,耳石は複数の二次核を中心として扇を重ね合わせたような構造として成長する。 耳石核から第10日輪までは日輪間隔が5μm以下で狭く,その外側5〜10日輪は間隔が5〜10μmと広くなるが不明瞭なことが多い。その外側の日輪は明瞭で日輪間隔はさらに広くなり,偽日輪が見られることがある。二次核の外側では日輪間隔がさらに拡大し,その後に減少する。耳石日輪数は,耳石核から二次核までの日輪数と,耳石核背側に位置する二次核の外側の日輪数の計として求めることができる。日輪間隔は,二次核の外側の間隔を耳石核から後方に設定した計測線上に投影することで求めることができる。 山口県深川湾で7月11日に定置網採集した48.0〜97.5mm稚魚(N=62)は,3月31日までに孵化した高齢群(おそらく東シナ海南部生まれ)と4月1日以降に孵化した若齢群(おそらく九州西岸生まれ)に分けられた。20〜80日齢の間では若齢群の日輪間隔が高齢群の間隔より明らかに大きかったことから,体長50mmに達するまでの成長過程は両群で異なると考えられた。
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