2003 Fiscal Year Annual Research Report
流通環境条件を考慮した品質管理技術の高度化につながる農産物の抗酸化反応機構の解明
Project/Area Number |
01F00316
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
前澤 重禮 岐阜大学, 農学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 進才 岐阜大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 抗酸化酵素 / 農産物 / 品質 |
Research Abstract |
本研究では、農産物の品質と抗酸化機能の関連性に着目して以下の研究成果を得た。 まず、農産物に含まれるスーパーオキサイドの簡便定量法を考案した。スーパーオキサイドとヒドロキシルアンモニウムとの反応で生じた亜硝酸イオンを分光学的に定量することでスーパーオキサイドが定量できることを実験的に証明した。 次に、種々の温度に貯蔵したブロッコリーの老化と抗酸化機能の関連性の研究から、ブロッコリー花らいの老化には、抗酸化酵素は活性の上昇により積極的に関与し、抗酸化物質含量の減少も密接に関与し、抗酸化機能が品質低下に関連する効果を明らかにした。 また、カキ'富有'の果実を低温と常温に貯蔵し、果肉硬度とともに呼吸速度、エチレン生成、減量率及び抗酸化機能の変化を調べたところ、低温下における果実軟化は常温下の軟化メカニズムと異なり、果実の抗酸化機能がその軟化に関与することが明らかになった。 さらに、種々の野菜の抗酸化機能を調べた結果、貯蔵性が高い野菜種ほど抗酸化酵素活性からみた抗酸化レベルは低く、ブロッコリーにおいては貯蔵性の異なる品種で同様なことが認められた。 キュウリの老化と抗酸化機能の関連性を把握するために、葉の加齢に着目した。実験の結果から、加齢過程は生長過程とその後の老化過程に分けられ、抗酸化酵素的抗酸化機能は老化進行と深く関与する一方、抗酸化物質的抗酸化機能は加齢過程の生長と密接に関連することがわかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 李 進才, 前澤重禮, 中野浩平: "亜硝酸法による植物組織内のスーパーオキシドの簡易定量法"園芸学研究. 1巻4号. 279-282 (2002)
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[Publications] 李 進才, 前澤重禮, 中野浩平: "異なる貯蔵温度下におけるブロッコリー花らいの抗酸化活性および抗酸化物質含量と老化との関連性"園芸学会雑誌. 73巻4号(印刷中). (2004)