2003 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌細胞浸潤におけるamphoterin-RAGE-MARKシグナル伝達系の解析と治療への応用
Project/Area Number |
01F00330
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
今井 浩三 札幌医科大学, 医学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MIN Yongfen 札幌医科大学, 医学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 大腸癌 / RAGE / amphoterin / 浸潤能 / リン酸化 |
Research Abstract |
大腸癌におけるreceptor for advanced glycation end-products (RAGE)およびその主要なリガンドのひとつであるamphoterin発現の臨床病理学的意義、予後との関連を明らかにした。さらに、RAGEの遺伝子導入実験を行った。RAGE発現の認められない大腸癌細胞株SW837にRAGE遺伝子を導入した。RAGE遺伝子導入SW837大腸癌細胞株は、wound-healing assayにおいて、多くのbudding nestsを示した。また、親株、mock-transfectantsに比べ、RAGE導入SW837大腸癌細胞は、in vitro浸潤能の亢進を認めた。 さらに、RAGEとamphoterinのセンスおよびアンチセンスS-オリゴヌクレオチド処理による大腸癌細胞の細胞増殖、運動、浸潤に及ぼす影響を検討した。センスS-オリゴヌクレオチド処理細胞に比べて、アンチセンスS-オリゴヌクレオチド処理大腸癌細胞の細胞増殖、運動、浸潤はいずれも抑制されている事を明らかにした。また、大腸癌細胞において、RAGE-amphoterinシグナルの活性化により、Erk-1/2、Rac-1、AKTのリン酸化およびMMP-9の産生が亢進することを明らかにした。 以上のことから、大腸癌におけるRAGE発現の癌進展への関与が示唆され、RAGE-amphoterinシグナルは治療のターゲットとなりうると考えられた。
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