2002 Fiscal Year Annual Research Report
バセドウ病眼症の発症機構の解明と新たな治療法の開発
Project/Area Number |
01F00334
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中尾 一和 京都大学, 医学研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LI Y. ?S. 京都大学, 医学研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | バセドウ病 / バセドウ病眼症 / TSHレセプター / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
バセドウ病眼症はバセドウ病に関連して眼窩組織のおこる自己免疫反応によって引き起こされる。その主要自己抗原の実態は依然不明であるが、有力な侯補としてバセドウ病の自己抗原であるTSHレセプターが考えられている。実際、眼窩組織中にTSHレセプターmRNAや同蛋白の存在が示され、病態との関連も示唆されている。そこで今回、現在開発中の抗TSHレセプター抗体(TRAb)遺伝子導入トランスジェニックマウスにおける眼症発症の有無を検討した。同トランスジェニックマウスは、刺激型TRAb産生B細胞クローンであるB6B7クローンのリンパ球ゲノム遺伝子から,プロモーター及びイントロンエンハンサーの領域を含むHeavy chainとLight chainを単離し、IgM型DNAコンストラクトを作製して、同DNAをC57BL/6Jマウスにマイクロインジェクションして作製された。12-16週齢のトランスジェニックマウスにおいて有意なfT4の上昇とTSH濃度の低下が認められた。また、fT4とヒトIgM(相関係数(r)=0.507)の相関が見られ(p<0001),N=51(69%)にhyperthyroidismが認められた。^<99m>technetium pertechnetate甲状腺摂取率でもuptakeの上昇、甲状腺組織において過形成が認められた。しかしながら、同トランスジェニックマウスの眼窩組織においては、これまで検討した限り、リンパ球の浸潤等を含めて眼症を示唆するような所見は得られなかった。今後、さらに詳細な検討を行う予定である。
|