2002 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者における歯周病リスクモデルの構築に関する研究
Project/Area Number |
01F00340
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
宮崎 秀夫 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AMARASENA H D N 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 高齢者 / 歯周病 / ビタミンC / リスクインディケーター |
Research Abstract |
目的:口腔と全身機能との関連を明らかにするために、新潟市に在住する高齢者を対象として高齢者の歯周疾患に関する縦断調査を開始した。本稿では、高齢者の歯周疾患における喫煙と血中ビタミンC濃度との関係について報告する。 方法:新潟市在住の71歳有歯顎高齢者409名(男217名、女192名)を分析対象とした。調査項目は、歯周組織状態(Mean Clinical Attachment level)のほか、全身健康状態(血液生化学検査)、喫煙・口腔衛生習慣などである。分析は、まず対象者の基本属性を喫煙・非喫煙別に調べ、次いでそれぞれをMean Clinical Attachment levelが3mm以上の者、3mm未満の者とに分け、血液生化学検査値をクロス集計で比較した。さらに歯周組織破壊のリスクインディケーターを解明するために、Mean Clinical Attachment level 3mmの有無を目的変数にクロス集計で有意であった項目を説明変数としてロジスティック回帰分析を行った。 結果・考察:分析対象者のうち、喫煙者は73名(17.8%)であり、以下の特性が認められた:男性が多い・1日に2回未満のブラッシングが多い・歯間ブラシの使用が低い・Mean Clinical Attachment level 3mm以上が多い。また、Mean Clinical Attachment level 3mm以上の者は217名(53.1%)で、そのうち喫煙者は49名であった。Mean Clinical Attachment level 3mmの有無と全身健康状態についてクロス集計を行った結果、喫煙者でMean Clinical Attachment level 3mm以上の者の割合は、リウマチ因子が低い・血中ビタミンC濃度が低い人たちに高かった。さらに、Mean Clinical Attachment level 3mm有無を目的変数にクロス集計で有意であった項目を説明変数としてロジスティック回帰分析を行ったところ、血中ビタミンC濃度が危険度0.69倍でMean Clinical Attachment level 3mm以上が多く認められた。すなわち、喫煙者で血中ビタミンC濃度が低いと、歯周疾患が進行しやすいことが示唆された。
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