2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01F00344
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
近藤 徳彦 神戸大学, 発達科学部, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SHAMSUDDIN AKM 神戸大学, 発達科学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 単一汗腺 / 発汗量 / 体温調節 / ヒト / 運動 / 汗のイオン濃度 |
Research Abstract |
運動を実施すると体内に多量の熱が発生するが,ヒトの場合は汗などによって熱が体外に放散されるため,運動時の体温を一定範囲内に保つことができる.ヒトには汗分泌に関わる活動汗腺が約250万個あるが,これらの汗腺一個(単一汗腺)の活動を連続的に測定できると,運動時における発汗調節の仕組みをより詳細に検討することが可能となる.そこで,平成13年度では,先ず,ヒトにおける単一汗腺の活動を多部位で測定する方法を確立するために,単一汗腺の活動を測定する方法の構築を,平成14年度では13年度の方法を用いて,運動時の単一汗腺活動を検討することを目的とした. 平成13年度では,単一汗腺の活動を測定するカプセルを作成し,この変化を従来の方法での発汗活動と比較し,今回作成したカプセルで単一汗腺の活動を評価する方法を確立した. 平成14年度では,運動時において単一汗腺活動がどのようになっているのかを検討するため,最大酸素摂取量の50%の自転車運動を環境温28℃(相対湿度50%)の環境下で40分間実施した.このとき,前腕部と胸部の発汗量ならびに同部位の単一汗腺活動を測定した.その他の測定項目は心拍数,食道温および4点法による平均皮膚温であった.運動時の発汗量と単一汗腺活動との間には密接な関係があった.また,今回用いた単一汗腺活動の測定方法により,汗に含まれるイオン濃度の変化を間接的に検討することが可能である.汗に含まれるイオン濃度の変化と発汗量の変化は異なり,発汗開始とイオン濃度が上昇する閾値(時間や食道温)は後者の方が大きかった(遅れていた).また,発汗量がある値に達すると汗のイオン濃度も急激に上昇し,それ以降は両者の間に対応関係が認められた. これらのことから,運動時における単一汗腺活動は従来測定した発汗活動と類似した関係にあり,また,汗のイオン濃度変化と発汗量の変化は発汗初期において違いが認められた.
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