2002 Fiscal Year Annual Research Report
殺虫トキシン抵抗性機構の解明と抵抗性昆虫出現を導かない殺虫剤創薬の基礎研究
Project/Area Number |
01F00346
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
堀 秀隆 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AHMAD Mahmood 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | バシラス・スリンジェンシス / Cryトキシン抵抗性 / 中腸上皮細胞 / アピカル膜 / 2次元電気泳動 / コナガ |
Research Abstract |
バシラス・スリンジェンシスの殺虫トキシンCry1Acに5万倍抵抗性を示すコナガ中腸にもCry1Acが結合するが殺虫出来ないことが示された。また逆にCry1Abは非常に良くこの高度抵抗性コナガを殺虫するが、中腸上皮細胞蛋白への結合は検出されない。この様な事実を解明することは抵抗性機構の理解に決定的に重要であると考えられる。 抵抗性コナガ中腸を摘出し前蛋白或いは上皮細胞アピカル膜タンパクを2次元電気泳動で網羅的解析を目指して研究を進めている。感受性、抵抗性コナガの上記組織蛋白の2次元解析で抵抗性コナガで完全に欠損している蛋白の検出と著しく含量が両系統で異なる蛋白種を5種検出できた。抵抗性コナガの中腸全体を用いたときに抵抗性株で47kDa蛋白(P47)の欠損が検出されるのでP47はバソラテラル膜に局在すると思われ、pIは5.79である。これは本研究課題の最終目標であるELISA構築を具体化させる大きな発見である。その他70kDa、pI pH>4;67.3kDa、pI pH>4;53.1kDa、pI 6.39;52kDa、pI pH>4;38.6kDa、pI pH>4の5種類の蛋白が両系統でその存在量が著しく異なり、量比の違いは最大で6倍にも達する。これらの蛋白はバソラテラル或いはアピカル膜に、或いは両膜に存在していた。 コナガ中腸は木綿糸の様に細く長さはせいぜい5mmで大量サンプルの収集は非常に困難であるが抵抗性株の中腸バソラテラル膜に欠損が見られるP47に焦点を当て、N-末端アミノ酸解析、TOF-MASS解析を目指している。更にアミノペプチデース抗体、カドヘリン様蛋白抗体を用いて、両系統で存在量が著しく異なる蛋白をターゲットにウエスタン分析を行っている。
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