2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01F00348
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
月原 冨武 大阪大学, たんぱく質研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬 吉春 大阪大学, たんぱく質研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | モノアミン酸化酵素 / 膜タンパク質 / 結晶構造 |
Research Abstract |
モノアミン酸化酵素(MAO)はアミノ酸残基数が約500でミトコンドリアの外膜に結合している膜蛋白質であり、補欠分子としてFADを1分子持っている。MAOはモノアミンをアルデヒドにまで酸化し、アンモニアと過酸化水素を遊離する。MAOはモノアミンを酸化して神経伝達を抑制する。これがパーキンソン病やうつ病の原因になる。MAOには類似の2種類の酵素が有り、MAO-Aは基質セロトニンに働くのに対して、MAO-Bは分子量のより小さい基質フェニルエチルアミンに特異的に働く。 MAO-Bはその阻害剤結合型のX線結晶構造解析が報告されている。この酵素では、活性中心は補酵素FADの近傍で、ポリアミン酸化酵素と同様なFADに対する配置をしていた。活性中心は分子内部で閉じた空洞を形成していて、その壁面の大部分は芳香族アミノ酸によって占められている。MAO-AとMAO-Bとの共通の基質であるパラ置換ベンジルアミンに対する活性では、MAO-Aでは置換基の電子吸引性の影響が生じるのに対して、MAO-Bではその影響があらわれないという違いがある。 また、MAOはC末端側に膜に埋もれたαヘリックスを持っていることは、MAO-Bの結晶構造解析から明らかになっている。しかし、その長さは膜を貫通するには不十分であり、このC末端領域が膜を貫通しているかどうか不明である。 この酵素によるアミン酸化反応の原子機構を明らかにする為に、MAO-AのX線結晶構造解析を行うことにした。酵母の発現系で大量発現に成功し、80gの菌体から20mgのMAO-Aを精製することができた。現在結晶化を行っている。
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Research Products
(1 results)