2002 Fiscal Year Annual Research Report
細胞の生存を保証する神経栄養因子などのサバイバルファクターの作用機序の解明
Project/Area Number |
01F00506
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
辻本 賀英 大阪大学, 医学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHANG Lilin 大阪大学, 医学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | Bcl-2 / アポトーシス / ミトコンドリア / シトクロムc |
Research Abstract |
アポトーシス制御因子Bcl-2ファミリーのメンバであるBaxやBak(アポトーシス促進メンバー)は、生細胞中では不活性な状態で存在するが、アポトーシス時に活性化し、シトクロムcなどのアポトーシスシグナル伝達物質をミトコンドリアから細胞質へ漏出させる。しかし、BaxやBak分子のアポトーシス時の活性化メカニズムの詳細は明らかにされていない。 本申請研究では、Bakの活性化メカニズムを明らかにする目的で、Bakの構造変化を捕らえることができる特異的な抗体Ab1を用い、Bakの活性化誘導因子を探索することを試みた。アッセイ系として、ジギトニンで細胞膜の透過性を高めたpermeabilized HeLa細胞系を用いた。このpermeabilized細胞にアポトーシスを起こしつつある細胞由来の抽出液(デスライセート)を添加するとBakに対する免疫染色性が亢進することが分かった。このアッセイ系を利用して、マウスにFas抗体を投与しアポトーシスが誘導された肝臓からでライセートを抽出し、その中から、コンベンショナルなカラムクロマトグラフィを利用することにより、Bakの活性化誘導因子の部分精製に成功した。さらにそのたんぱくのアミノ酸配列を決定し、データベース検索により候補分子を同定し、そのDNAクローンを単離した。この分子にアポトーシス誘導活性があるかどうかなど、アポトーシスシグナル伝達における役割を現在、検討中である。
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