2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01F00711
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Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
高崎 史彦 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SCHWANDA Christoph 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | B中間子 / 小林・益川行列要素 / φ3 |
Research Abstract |
現在、高エネルギー加速器研究機構においてはB-ファクトリー加速器(KEKB)、とBelle実験装置が順調に稼動し、このタイプの電子・陽電子ビーム衝突型加速器としては世界最高の性能を実現している。これに伴い、Belle実験はこれまでに最大のB中間子崩壊のデータを収集した。現在、このデータの解析を精力的に行い、多くの学術論文として発表してきた。 ところで、B中間子は、チャームクオークを含む状態に高い確率で崩壊することが知られている。一方、小林・益川理論によれば、B中間子は少ない確率ではあるが、チャームクオークを含まない状態にも壊れることが可能である。実際、これまでに、Belle実験などのいくつかの実験研究でその存在は確認されている。しかし、崩壊確率が非常に少ないことや反応を選別することの困難などにより、現在までに、よい精度で測定されてはいない。小林・益川の標準理論の検証には、この確率に相当する小林・益川行列要素、Vub、を精度よく測定することが必要である。Schwanda氏は、B中間子がρlv,ωlvなどに崩壊のデータを解析し、小林・益川行列要素、Vub、の測定を精力的に行い、結果をいくつかの国際会議で発表してきた。特に、Schwanda氏は、Belle実験グループ内のVub測定の解析グループを組織し、多くの会議を主催し、研究成果をまとめる仕事もしてきた。現在までに得られた成果は、これまでに他の実験で得られたものを凌ぐものであり、国際的にも注目されている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Abe, et al.(Belle Collaboration): "Study of Time-Dependent CP-Violating Asymmetries in b-> s qbar q Decays"Physical Review D. 67. 031102 (2003)
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[Publications] N.Gabyshev et al.(Belle Collaboration): "Observation of B0bar->Lambda_c+pbar decay"Physical Review Letters. 90. 121802 (2003)