2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01F00743
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
加部 利明 東京農工大学, 工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DUMEIGNIL FRANCK 東京農工大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 水素化脱硫 / Cr / アルミナ / ^<35>Sパルストレーサー / 触媒 / 貴金属 / 環境 / 触媒反応機構 |
Research Abstract |
1.Mo-アルミナ触媒上にでの水素化脱硫メカニズムの解明:従来のMo-アルミナ触媒の水素化脱硫メカニズムにおいて水素の役割を解明した。先ずリール大学がコンピューター模擬実験を用い、事前に提案した幾つかの考え得るメカニズムを徹底的に研究し、熱力学上で最も可能なメカニズムを挙げた。それから、そのメカニズムを確認するためDBTの脱硫活性実験を用い、H_2S脱着反応活性化エネルギーを求めた。その活性化エネルギーは10〜11kcal.mol^<-1>であったのに対し、コンピューターシミュレーションで得た値は約12kcal.mol^<-1>であった。この二つの結果が殆ど一致していることから、選択したメカニズムが非常に可能であると考えられる。この様な模擬シミュレーション実験と活性実験の照合の手法は、もっと複雑な触媒系にも応用でき、新触媒の探索に有益な研究方法になると期待している。 2.Cr-アルミナ触媒の活性と助触媒添加の影響:パルストレーサー実験法を用い、Cr系触媒の硫化過程を解明した。段階的昇温操作で、硫化温度の上昇に伴い、CrS_x種が徐々に硫化し、300℃と400℃の間でCr_2S_3種になり、CrSに熱分解する。更に、取り込まれた硫黄の量を計算し、活性実験の結果と比較し、触媒の働きの理解を深めた。Cr触媒の活性を向上させるため、様々な助触媒の添加を試みた。そのうち、一番効果的な相乗効果を示したのはニッケルである。そこで、ニッケルとクロムの担持量を変化させ、活性を更に向上させることには成功したが、既存の触媒の活性にはまだ及ばなかった。 3.貴金属触媒の活性の最適化:貴金属系触媒のうち水素化脱硫活性が一番高かったルテニウム触媒の改良を試みた。以前にルテニウムカルボニルを用いて調製したRu-アルミナ触媒が高い活性を示したが、その上Csを添加したところ、活性が更に向上した。特にCs/Ru=2が最適な組成比である事がわかった。RuCs触媒の活性を更に向上させるため、Rhの添加を試みた。その結果、調製の際に、貴金属の含浸順を変えて最適化を図り、活性を更に向上させることができた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Franck Dumeignil, Hiroshi Amano, Danbong Wang, Eika W.Qian, Atsushi Ishihara, Toshidaki Kabe: "Study of the sulfidation process of CrO_3-Al_2O_3 hydrodesulfurization catalysts by a ^<35>S labeled H_2S pulse tracer method"Applied Catalysis. (Accepted).
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[Publications] Atsushi Ishihara, Jeayoung Lee, Franck Dumeignil, Ryuichirou Higashi, Anjie Wang, Eika W.Qian, Toshiaki Kabe: "Elucidation of sulfidation state and hydrodesulfurization mechanism on ruthenium-cesium sulfide catalysts using ^<35>S radioisotope tracer methods"Journal of Catalysis. (Accepted).