2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01F00745
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
青木 一生 京都大学, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LATOCHA Vladimir 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | プラズマ推進装置 / SPT / ボルツマン方程式 / 混合気体 / 気体分子運動論 / 蒸発 / 凝縮 / 流体力学モデル |
Research Abstract |
最終年度は4月から8月までの5ヶ月間であり,前年度の研究の継続とその仕上げを行った.主な研究内容は,以下の通りである. 1.定常プラズマ推進装置(STAまたはホールスラスター)内部の電子密度に対する流体力学モデルにおいては,強い非等方性をもつ楕円型偏微分方程式の境界値問題の解析が主要な問題になる.しかし,その数値解析は見た目よりもはるかに難しく,標準的な有限体積法や有限差分法では膨大な数の空間格子点が必要になるだけでなく,高い精度も期待できない.Latocha博士はこの問題に対して,非等方性を表すパラメータで解を展開し,その展開係数を数値的に求める方法を考案した.これによると,数十項程度の多数の展開項を用いるのは容易で,かつ精度の高い解が得られる.この方法を具体的問題に適用し,新たに導出した非等方性が無限大の場合の漸近解と比較することにより,その制度と有用性を確認した.研究の主要部は前年度までに終えていたが,本年度は,より広いパラメータに対する数値解析を追加した. 2.蒸気が無限遠方から平面凝縮相に吹きつけてそこで凝縮を起こしており,凝縮相近くに非凝縮性気体が吹き寄せられている問題を考察した.この問題では,問題に含まれるパラメータが特定の関係を満たすときにのみ,定常流が実現する.研究代表者らは,特別の場合(蒸気と非凝縮性気体の分子の力学的性質が同等の場合)について,そのパラメータ間の関係を数値的に求めた.Latocha博士は,凝縮が弱い場合を考え,ボルツマン方程式の系統的漸近解析により,それをより一般の分子モデルに対して解析的に求めた.研究は主に前年度に行ったが,今年度は具体的な分子間力のモデルに対して公式を整備する作業を行った. 3.混合気体に対する線形化ボルツマン方程式の差分法を改良する研究に着手した.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Philippe Guillaume: "Numerical solution of a two-dimensional highly anisotropic elliptic problem by a parametrization method"C.R.Acad Sci.Paris, Ser.I. 337(6). 419-424 (2003)
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[Publications] Philippe Guillaume: "Numerical convergence of a parameterization method for the resolution of a highly anisotropic two-dimensional elliptic problem"J.of Scientific Computation. (to be published).
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[Publications] Naoufel Ben Abdallah: "Diffusion limits of kinetic theory"Hyperbolic Problems : Theory, Numerics, Applications, eds.T.Hou and E.Tadmor (Springer-Verlag, New York). 3-19 (2003)