2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01F00762
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
葛西 宏 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MEI Nan 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 8-OH-dG / OGG1 / 砒素化合物 |
Research Abstract |
砒素化合物は肺、皮膚、膀胱、および肝臓に癌を発生させる、培養したヒト肺がん細胞(A549)に対し0.5-2mMの砒素化合物(Sodium arsenite)を4時間作用させた。市販のキットを用いて鉄キレート剤Desferal共存下でDNAの抽出を行い8-ヒドロキシデオキシグアノシン(8-OH-dG)の生成を調べた。従来の高速液体クロマトグラフィー電気化学検出器(HPLC-ECD)装置による分析で砒素化合物の濃度に依存して8-OH-dGの生成することが確認された。コントロール細胞の8-OH-dGレベルは10の6乗のdG当たり1.3程度であった。一方、新しい試みとして市販のOxy DNA Assay Kit (FITC-avidin-conjugate)を用いて砒素化合物で処理した細胞を染めて蛍光顕微鏡により8-OH-dGの定量を試みたところ砒素処理により核が緑黄色に染まり蛍光強度をフローサイトメトリーにより測定すると砒素化合物の濃度に依存して増加していた。また砒素化合物処理によりnicking assayによる8-OH-Gua修復活性は低下する事、RT-PCRにに測定した8-oxoguanine-DNA glycosylase 1(OGG1)mRNAの発現が低下する事、Westernblotにより測定したOGG1タンパク量は低下することがわかった。これらの結果から砒素化合物による発がん機構として活性酸素によるDNA損傷が考えられること、またヒト培養細胞中の8-OH-dGの増加は活性酸素の生成および修復活性の低下の両方に起因することが考えられた。
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Research Products
(1 results)