2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01F00769
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大塚 孝治 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
THIAMOVA Gabriela 東京大学, 大学院・理学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 反対称化分子動力学法 / 炭素原子核 / ベリリウム原子核 / 有効相互作用 / 拘束条件 |
Research Abstract |
反対称化分子動力学法は通常、スレーター行列式1個によって限られた空間での変分計算を行っていることになる。それでは、エキゾチック原子核には十分でない場合が多いので、複数のスレーター行列式をある拘束条件を設定することにより導入する。この新しい方法により炭素のアイソトープを中心に、ベリリウムまで含めて系統的な計算を行ってきた。拘束条件としては、核物質の密度分布の半径を用いた。その結果、旧来の反対称化分子動力学法による計算に比べて格段の改善が見られた。しかし、15Cのような単純な原子核においてさえ、d5/2軌道とs1/2軌道の順番が出ないなど、反対称化分子動力学法の基本的な問題点に起因する困難が残った。それを改善するために、芯と粒子の角運動量の射影を別々に行い、後で両者を組み合わせるような試みを行い、一定の改善は得られた。しかし、他にも多くの欠点はあり、反対称化分子動力学法計算においてまだまだ研究すべき課題は山積している。しかし、一方では、極めて大局的な性質は得られている。また、欠陥の一部は、使用している模型的な有効相互作用のためであるかもしれず、現実的な有効相互作用を用いる散ることにより、より意味のある計算も試みるべきであろう。そのような過程の一段階の研究成果としてみなされるべきである。ただし、有効相互作用が簡単なものになっているのは、解く方法が反対称化分子動力学法になっているためでもあり、全体的に計算の質を上げるのは簡単なことではない。
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[Publications] G.Thiamova, N.Itagaki, T.Otsuka, K.Ikeda: "Systematic Analysis of neutron rich carbon isotopes"Nuclear Physics A. 719. 312-319 (2004)