2002 Fiscal Year Annual Research Report
ホルモン誘導性局所因子による卵巣機能調節に関する研究
Project/Area Number |
01J00008
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
土屋 恵 群馬大学, 医学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 卵巣顆粒膜細胞 / NGFI-A / StAR / ゴナドトロピンレセプター / Ad4BP / SF-1 / 二次元電気泳動 / 翻訳後修飾 |
Research Abstract |
1、ラット卵巣でゴナドトロピンの刺激により誘導される遺伝子群をサブトラクションクローニング法を用いて検索した結果、ゴナドトロピン誘導性遺伝子群として、StAR、scavenger receptor classB、20-beta HSD、NGFI-Aなどが単離された。これらの遺伝子がゴナドトロピン刺激によりラット卵巣顆粒膜細胞で顕著に誘導されることを示し、これらの遺伝子の性腺機能への関与を明らかにした。 2、卵巣におけるゴナドトロピンレセプターおよびそれに関わる様々な局所因子の働きを考える上で、性分化における遺伝調節の分子機構を理解することは非常に重要である。近年ヒトの疾患およびマウスの遺伝学的な解析から、核内受容体型転写因子Ad4BP/SF-1が性分化におけるキーファクターとして働くことが明らかになってきた。しかしこれら遺伝学、組織学的な解析に比べ、この因子の分子制御機構は不明な点が多い。私はAd4BPタンパク質の制御を解き明かすためにこのタンパク質の翻訳後修飾に着目し、細胞よりAd4BPを抽出し精製することを試みた。さらに二次元電気泳動でAd4BPタンパク質を展開し、これが複数のスポットとして検出されることを見出した。この結果はAd4BPが複数の翻訳後修飾によって制御を受けていることを強く示唆している。これらの修飾を解明する目的で、今後(1)各種の翻訳後修飾誘導、および阻害によるスポットの変化を検出し、これら翻訳の上流制御機構を明らかにする。また(2)それらによって変化の生じたスポットのアミノ酸部位の同定を質量分析法によって明らかにし、これらの部位の疾患の有無の検索、また変異の培養細胞への導入を試みAd4BPの機能への影響の解析を行う。これらの結果は、卵巣での性ホルモンの作用機構を理解する上で重要な知見となると考えている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Inoue K.et al.: "Effect of transforming growth factof Bata on the expression of luteinizing hormone receptor in cultured rat granulosa cells"Biol Reprod. 67. 610-615 (2002)
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[Publications] Yoshino M.et al.: "Early growth response gene-1 regulates the expression of the rat luteinizing hormone receptor gene"Biol Reprod. 66. 1813-1819 (2002)
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[Publications] Minegishi T.et al.: "Molecular Cloning, Cellular Distribution and Regulation of Rat Ssteroidogenic Acute Regulatory Protein (StAR) in the Ovary"J. Reprod.. 48. 1-15 (2002)
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[Publications] Kikuchi N.et al.: "Clinical Factors in Successful Transfer of Cryopreserved Thawed Embryos"THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL. 52. 117-121 (2002)
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[Publications] 菊地信正 他: "無精子症患者における治療方法の検討"日本受精着床学会雑誌. 19. 106-108 (2002)