2002 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病ワクチン開発に向けての基礎研究:歯周病巣における抗原提示細胞の解析
Project/Area Number |
01J00518
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柳田 学 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 歯周病 / 抗原提示細胞 / 樹状細胞 |
Research Abstract |
マウス樹状細胞(dendritic Cell : DC)群においてその存在が不明であったplasmacytoid DC (PDC)を申請者は平成13年度に同定した。平成14年度はナイーブT細胞のTh1/Th2分化に与えるPDCの影響について、研究が進行しているmyeloid-derived DC (MDC)と比較検討することでPDCの免疫反応における役割を解析した。マウスナイーブT細胞のTh1/Th2分化誘導に対するPDCの役割を解析するためフローサイトメトリーを用いて129マウスDCをPDCとMDCに分取した。その後LPS、CpGDNA、CD40L等の存在下で上記細胞を刺激しその培養上清中のDC産生サイトカインをELISA法にて測定した。その結果CpGで刺激されたPDCはIFN-α、IL-10、IL-12を産生した。一方MDCはLPS刺激によりIL-12のみの産生を認めた。次に培養後のDCをBALB/cマウスナイーブCD4陽性T細胞と5日間共培養し、増殖応答を検討した。その結果MDCでは無刺激、LPS、CpGDNA、CD40刺激のいかなる状態においても同等のT細胞増殖活性を認めた。PDCにおいてはCpG刺激時のみT細胞増殖活性を認めた。さらにintracellular cytokine FACSにてT細胞内サイトカインの解析をおこなったところ無刺激のPDCはナイーブCD4陽性T細胞をIL-10産生T細胞に分化誘導した。CpGDNAによって活性化されたPDCはIL-10もしくはIFN-γ産生細胞に分化したが、IL-4の産生は認められなかった。一方、無刺激のMDCはナイーブT細胞をTh2サイトカイン産生細胞に分化誘導した。 以上の結果よりPDCはMDCとは異なるサイトカイン産生パターンを示した。またMDCはナイーブCD4陽性T細胞をTh2型細胞へ誘導し増殖させるが、PDCはCpGDNA刺激時はTh1型、無刺激時はIL-10産生細胞へと誘導する。このことから、PDCは生体内でもThサイトカインバランスに大きく寄与することが予想される。現在、無刺激PDCによって誘導されるIL-10産生T細胞の免疫系に及ぼす影響について検討中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Murakami S. et al.: "Activation of adenosine-receptor-enhanced iNOS mRNA expression by gingival epithelial cells"Journal of Dental Research. 81. 236-240 (2002)
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[Publications] Yanagita M, et al.: "IL-15 up-regulates iNOS expression and NO production by gingival epithelial cells"Biochemical and Biophysical Research Communications. 297. 329-334 (2002)
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[Publications] 中野英樹, 柳田学, 垣内史堂: "免疫2003:ウイルス刺激によってI型インターフェロンを産生するマウスpreDC(Plasmacytoid DC)"中山書店. 10 (2002)