2003 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病ワクチン開発に向けての基礎研究:歯周病巣における抗原提示細胞の解析
Project/Area Number |
01J00518
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柳田 学 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 歯周病 / 抗原提示細胞 / 樹状細胞 |
Research Abstract |
マウス樹状細胞(dendritic cell : DC)群においてその存在が不明であったPlasmacytoid DC (PDC)を申請者らは平成13年度に同定した。平成14年度はナイーブT細胞のTh1/Th2分化に与えるPDCの影響について、研究が進行しているmyeloid-derived DC (MDC)と比較検討することでPDCの免疫反応における役割を解析した。そしてPDCはCpGDNA刺激時はTh1型、無刺激時はIL-10産生細胞へと誘導することを明らかにした。平成15年度は無刺激PDCによって誘導されるIL-10産生T細胞の免疫系に及ぼす影響について検討した。MDCとナイーブT細胞を共培養して分化させたT細胞(MDC-T細胞)をMDCで再刺激すると強い増殖活性が認められたがIL-10産生T細胞をMDCで再刺激したところ増殖活性は認められかった。またMDC-T細胞もしくはナイーブT細胞と、IL-10産生T細胞を同数混合しMDCと共培養したところ増殖活性がきわめて低いレベルでしか認められなかった。さらにMDC-T細胞とPDCを共培養しても低い増殖活性にとどまった。IL-10産生T細胞を培養系に加えることによるMDC-T細胞増殖抑制効果はMDC-T細胞に対してIL-10産生T細胞の割合が増加するに従い顕著に認められた。以上の結果よりPDCはナイーブT細胞を増殖抑制活性をもつ、IL-10を産生する免疫制御性T細胞へ分化誘導し、さらに免疫制御性T細胞とともに活性化T細胞の増殖を抑制し過剰な免疫応答を制御する役割を持つと考えられる。
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Research Products
(1 results)