2002 Fiscal Year Annual Research Report
閉口筋筋紡錘及び歯根膜機械受容器を支配する三叉神経中脳路核ニューロンへの入力様式
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01J00534
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
本間 志保 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 三叉神経中脳路核ニューロン / 三叉神経運動ニューロン / ギャップジャンクション / コネキシン26 / コネキシン36 / 電気シナプス / 生後発達 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
コネキシン(Cx)ファミリーはギャップジャンクションを形成するタンパク質であり多くの脊椎動物の組織に広く認められている。ギャップジャンクションは神経回路の発達において重要な役割を果たすことが近年の研究より明らかとなってきた。これまでに16種類のCxタンパクが報告されているが、その中でも発育中あるいは成獣マウスの脳に認められる主なものとしてCx26,32,36,43が挙げられている。Cx36およびCx26はニューロンに存在し、Cx32およびCx43はダリアに認められる。 本研究では三叉神経中脳路核ニューロンと三叉神経運動ニューロンにおけるCx26およびCx36の発現を免疫組織化学的手法を用いて生後経日的に観察し、三叉神経ニューロンへの多様な入力様式の変化についての検索を行った。 動物は生後1、6、14、21日齢および成獣マウスを用いた。三叉神経中脳路核および運動核を含む断面の切片を作製し、Cx26、Cx36に対するポリクロナル抗体を用いて免疫組織化学的検索を行い光学顕微鏡にて観察した。 Cx26は三叉神経中脳路核ニューロン、三叉神経運動ニューロンともに観察に用いた全ての齢で認められた。生後1日、6日齢のマウスでは強い免疫反応を示したが免疫反応の強さは発育に伴い減少した。三叉神経運動核におけるCx36の発現は生後1日齢で最も強く認められるが次第に減少し、生後14日齢では三叉神経運動核では運動ニューロンに非常に弱い免疫反応が認められ、小型のインターニューロンにやや強い免疫反応が認められた。成獣ではインターニューロンにのみCx36の免疫反応が認められた。三叉神経中脳路核ニューロンにおけるCx36の発現は生後1日齢で最も強く発育とともに減少し、成獣では非常に弱い免疫反応が認められた。 以上の結果より、Cx26およびCx36は生後すぐに強い発現を示すことが明らかとなった。さらに離乳の時期にCx36が三叉神経運動核内のインターニューロンに発現することが明らかとなった。これらのことよりギャップジャンクションの形成が出生後早い段階での顎運動の神経回路発達に大きく関与することが示唆される。また、成獣三叉神経中脳路核ニューロンおよび三叉神経運動核内のインターニューロンにおけるCx36の発現は、ギャップジャンクションが顎運動の神経回路形成の成熟にも関与していることを示唆している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] S.Honma et al.: "Postnatal development of synaptic inputs to rat masseter motoneurons"Developmental Brain Research. 139. 67-71 (2002)
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[Publications] S.Wakisaka et al.: "Immunocytochemical localization of anion exchanger-2 (AE-2) in the dorsal root ganglion of adult rats"Biochemical Research. (In press). (2003)
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[Publications] M.Moritani et al.: "Quantitative analysis of the dendritic architectures of single trigeminal neurons innervating the antagonistic muscles in cat"Experimental Brain Research. (In press). (2003)
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[Publications] S.Honma et al.: "Differential Developmental Expression of Connexin26 and Connexin36 in Trigeminal Motor and Mesencephalic Trigeminal Nuclei"American Association for Dental Research. (発表予定).