2003 Fiscal Year Annual Research Report
グリア細胞由来の新規液性因子による神経系の形成,維待
Project/Area Number |
01J00678
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西野 仁輔 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 分泌性蛋白 / グリア細胞 / 軸索伸長 |
Research Abstract |
マウス255は新規の分泌性蛋白であり、発生途中の神経組織で発現する. 神経組織内では、未分化(神経幹細胞、グリア前駆細胞)およびグリア細胞で発現する.本年度は255蛋白の精製方法を樹立し、精製255蛋白を用いた初代培養細胞系における生物学的活性を検討、精製255蛋白が以下の活性を持つことを確認した. 1)後根神経節(DRG)中に存在するグリア細胞satellite gliaの形態を変化. 2)後根神経節(DRG)神経細胞からの軸索伸長を促進. この活性は神経細胞のサブタイプのうちsmall, intermediate neuronに特異的であった.またこの活性は神経細胞に対する直接的な効果ではなく、上記1)で述べたsatellite gliaの活性化に伴う二次的な効果であった. 3)小脳器官培養系において、アストロサイトを放射状グリアに変化. また純化アストロサイト分散培養系においても同様の活性を示すことから、この効果はアストロサイトに対する直接的な効果であった. 4)Neurosphere中の前駆細胞からのアストロサイト分化を促進. これらの結果より255は自身を発現する細胞群(神経幹細胞、グリア前駆細胞、およびグリア細胞)にautocrine/paracrine的に働き、自身の分化状態を制御している因子であることを証明した.上記結果をまとめて現在論文投稿中である. また、現在255遺伝子組換えマウスを維持しその表現型を調べており、上記生物学的活性の生体中における役割を検討している.
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