2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J00836
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
原澤 隆一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 代数曲線暗号 / ヤコビアン群演算 / superelliptic曲線 / C_<a_1,…,a_t>曲線 |
Research Abstract |
代数曲線上のヤコビアン群演算に関する研究を行った。これは代数曲線暗号の構成に関するものである。ヤコビアン群演算に関しては、逆イデアルおよび無限遠点における極位数に関する最小元の計算がポイントになる。Gaudry attackによって、種数が4以下(又は10以上)の曲線が実用的であると考えられているので、まず本研究では種数が3のsuperelliptic curve「y^3=f(x),deg_x=4」を考察した。この場合、逆イデアルに関しては、超楕円曲線におけるCantorの方法と同様、明示的(自明的)に得られることを示した。しかし、後者の問題が未解決なので、数値実験の平均値は超楕円曲線より高速ではなかった。次に、同じ入力サイズの基、superellipticおよびその一般形であるC_<a_1,…,a_t>曲線のヤコビアン群演算の数値実験を行った。(特に、定義方程式の個数が2個以上の代数曲線の数値実験の結果の掲載は、世界初である。) 理論面では、アルゴリズムの数学的正当性の別証明を示した。この証明は従来より、簡潔であることより、アルゴリズムのスリム化を与えることになった。その結果、昨年の数値実験の結果より高速化につながった。さらに、このアルゴリズムの事前計算の計算量を評価することもでき、それは入力サイズの多項式時間となることも得られた。 また、数値実験で扱った曲線のなかに超楕円曲線並みの高速性をもったものがあった。今後の計画は、そのような曲線の特徴付けを行うことである。また、それらの曲線のヤコビアン群の位数計算にも取り組む。これらが完成すれば代数曲線暗号の構成が可能となるだけでなく、電子署名システムの構成にもいかされることとなる。
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Research Products
(1 results)