2002 Fiscal Year Annual Research Report
α位に不斉源を有するカルボン酸の新規光学純度測定用試薬の開発
Project/Area Number |
01J00879
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
張 功幸 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 助手
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Keywords | 光学活性シリルジアゾメタン / ケイ素化合物 / キラルカルボン酸 / エステル化 / 光学純度測定 |
Research Abstract |
化合物の光学純度測定法の確立は、天然物合成、医薬品開発をはじめ幅広い領域において必要不可欠である。本研究では、汎用性のあるカルボン酸の光学純度測定用試薬として光学活性シリルジアゾメタンに着目し、その合成及び評価を行った。本年度は、以下に示した成果を得た。 1)光学活性シリルジアゾメタンの設計、合成 光学活性シリルジアゾメタンとしてケイ素上に光学活性なアルコキシ基を一ケ所導入したものを基本骨格として用い、光学活性なアルコキシ基としてα-フェネチルアルコール、1-メントールを採用した。これまで光学活性シリルジアゾメタンの合成に関する報告例はないが、当研究にて開発したジアゾトランスファー反応により目的とする各種光学活性シリルジアゾメタンを合成することに成功した。 2)合成したシリルジアゾメタンを用いたカルボン酸類のシリルメチル化 α位に不斉源を有するカルボン酸としてマンデル酸を用い、合成したシリルジアゾメタンによるシリルメチル化の反応条件(反応溶媒、反応温度等)を詳細に検討した。その結果、クロロホルム(あるいは塩化メチレン)を溶媒として用いることで、室温下ほぼ定量的に対応するシリルメチルエステル体へと変換することに成功した。同条件下、α位にアルコキシ、アセトキシ、ハロゲン等を有する光学活性カルボン酸類に関しても同様の結果が得られた。 3)シリルメチルエステル化されたカルボン酸の光学純度測定 2)の反応により、キラルカルボン酸はジアステレオマーへと誘導される。従って、プロトンNMR測定により、そのジアステレオマー比を算出することで、用いたキラルカルボン酸の光学純度を求めることができる。実際に、合成した種々のシリルメチルエステル化されたカルボン酸のプロトンNMRを測定した。しかしながら、2つのジアステレオマー間のシグナルが十分に分離しておらず、今回合成に成功した2種の光学活性シリルジアゾメタンのいずれもカルボン酸の正確な光学純度を算出するには至らなかった。今後、更に光学活性シリルジアゾメタン上の光学活性部位の検討を行う予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Satoshi Obika: "Stable oligonucleotide-directed triplex formation at target sites containing C・G interruptions : Strong and sequence-specific recognition by 2',4'-bridged nucleic acid bearing 2-pyridones under physiological conditions"Chemistry-European Journal. vol.8. 4796-4802 (2002)
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[Publications] Hidetaka Torigoe: "Triplex formation involving 2',4'-BNA with isoquinolone base analogue : Efficient and selective recognition of C:G interruption"Nucleic Acids Research Supplement. No 2. 183-184 (2002)
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[Publications] Yoshiyuki Hari: "Synthesis and properties of oligonucleotides containing novel 2',4'-BNA analogues (2',4-BNA^<coc>)"Nucleic Acids Research Supplement. No 2. 147-148 (2002)
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[Publications] Satoshi Obika: "Synthesis and properties of 5'-amino-2',4'-BNA modified oligonucleotides with P3'→N5' phosphoramidite linkages"Nucleic Acids Research Supplement. No 2. 25-26 (2002)